太陽光発電システム構成材料最前線2009

技術者・研究者向けの書籍紹介


太陽光発電システム構成材料最前線2009

The Research and Development Trends of Panel Materials for Photovoltaic System


監 修:杉本 榮一 (株)デンギケン 代表取締役社長 電気・電子材料研究会 会長
発刊日:2008年1月23日
体 裁:A4判・380頁
価 格:36,750円 (本体35,000円+税)


刊行のねらい
 石油や石炭はいずれ枯渇する。それに頼りっきりでは地球の温暖化も防げない。これからの時代、太陽光をどんどん使うべきだ。この考え方には異論はあるまい。
地球上に届く太陽エネルギーは、1時間で世界の年間エネルギー消費量に匹敵する。限られた場所にしかない化石燃料とは違い、太陽光は日本にもたくさん降り注ぐ。エネルギー自給の面からも望ましい。だが、日本では太陽光発電は全発電量の0.1%~0.2%でしかない。太陽光発電をしている住宅は全国に40万戸ほどある。これをもっと増やそうという政策が今年度補正予算で3年ぶりに復活した。発電設備を取り付ける際、1KW当たり7万円を国が補助する。2百数十万万円かかる一般的な設備だと20~25万円ほど割安になる。欧州で太陽光発電が爆発的に広がったのは、家庭などで自然エネルギーからつくられた電気を電力会社に高く買い取らせているからだ。この制度をいち早く導入したドイツは、2005年発電設備量で日本を抜いて世界一になった。スペインは今年末には180万KWに迫る勢いで、ぐんぐん日本を追い上げている。
これらの動向を背景として、太陽光発電は今後、さらなる発電効率のアップとモジュール構成部材のVA(Value Analysis),VE(Value Engineering)によるコストパフォーマンス対策が主要課題となっています。

本書は、太陽光発電システムモジュール構成材料を分析するとともに、モジュール全体像の開発動向,構成材料の現状,最新の市場動向およびそれに対応したパネル構成の具体的開発状況に着目し、電気・電子材料研究会が編纂した以下の技術レポート集大成を行うとともに、さらなる内容の見直しと充実を図りました。
□第1版「太陽電池パネル材開発の最前線2006」2005年12月2日刊
□第2版「太陽光発電システムパネル材用バックシート開発の最前線2007」2006年12月4日刊
□第3版「太陽電池パネル構成材料開発の最前線2007-Ⅱ」2007年5月21日刊
□第4版「太陽光発電システム構成材料の最前線2008」2007年12月10日刊
 
 本書が、現在、太陽光発電システムの分野で活躍中の技術者や、今後、自社の独自なハード、およびソフト技術を活かして本分野へ新規参入を計画中の方々に、多少なりとも参考になれば幸甚です。




太陽光発電システム構成材料最前線2009項目

第1章 鉛フリーはんだ
1.はじめに
2.鉛フリーはんだの種類
3.鉛フリーはんだ実装の現状

第2章 RoHS指令の現状とその取り組み
1.はじめに
2.WEEE指令の本質
3.RoHS指令の本質
4.EUの新たな規制
5.資源有効利用促進法とJ―Moss
6.中国・電子情報製品汚染防止管理弁法の動向
7.企業の対応のまとめ

第3章 封止樹脂
1.はじめに
2.ソーラーエバ®の銘柄と基本特性
3.代表的なソーラーモジュールの構成
4.代表的なソーラーモジュールの生産工程
5.ソーラーモジュールの製造条件例
6.ソーラーエバ®の架橋速度
7.ソーラーエバ®の長期物性
8.ソーラーエバ®の標準仕様
9.太陽光発電システムセル封止材の評価方法
10.太陽光発電パネル用EVA樹脂の実用面からの評価

第4章 保護フィルム(バックシート)
1.概要
2.保護フィルム(バックシートに要求される機能と特性)
3.構成材料の品質特性
4.保護フィルム(バックシート)用基材の考察
5.代表的な高分子材料の劣化
6.ポリエチレンテレフタレート(PET)の耐候性
7.プラスチックフィルムおよび複合材の耐候性評価技術
8.代表的プラスチックフィルムの諸特性
9.保護フィルム用接着剤の評価技術

第5章 BSがモジュールメーカーに採用されるプロセス

第6章 世界のBSメーカー製品特性表

第7章 BACKVERR®の技術資料(英文)

第8章 高性能紫外線吸収材と保護フィルムへの応用
1.はじめに
2.PV用耐候性フィルム類の現状と開発動向
3.高性能,多機能コーティング剤での耐候性向上
4.ハルスハイブリッドUV®GRシリーズの用途
5.製品/開発品の紹介
6.まとめ(課題と展望)

第9章 最新のWET薄膜塗工技術のBSへの応用
1.はじめに
2.グラビアコーター
3.5本ロールコーター
4.クローズドタイプの薄膜塗工用コーター
5.デジタルコーター
6.クリーンパイロットコーター
7.おわりに

第10章 太陽電池性能の評価技術と現状
1.太陽電池性能評価技術の主な要素
2.放射照度測定・調整とトレーサビリティ
3.世界の状況
4.さまざまな条件における太陽電池性能評価

第11章 太陽光発電システム構成材料の耐久性評価と分析技術
1.はじめに
2.太陽光発電システム用有機ポリマー材料
3.紫外線劣化(耐光性)促進試験方法
4.耐熱、耐湿性に関わる寿命予測

第12章 太陽光発電システムの回路圧電と電気絶縁設計
1.はじめに
2.太陽光発電セルの発生電圧および電流
3.太陽光発電システム設置の状況と回路電圧
4.太陽光発電モジュールの電気絶縁設計
5.まとめ

第13章 太陽光発電システム標準化及び試験法

第14章 太陽電池用シート部材の特許動向
1.はじめに
2.特許調査法
3.出願動向
4.保護材に関する特許
5.封止材に関する特許
6.おわりに

第15章 太陽電池用シート部材の耐候性評価法に係わる特許
1.はじめに
2.保護材の耐久性評価に係わる特許
3.封止材の耐久性評価に係わる特許
4.太陽電池の再生に係わる特許
5.おわりに

第16章 太陽電池用保護材(バックシート)に関する特許

第17章 太陽電池用封止材に関する特許

第18章 用語集