自然エネルギー蓄電用LiBの開発動向 -電力系統連系とスマートグリッドへの応用展開-

研究者向け科学技術書籍の紹介

自然エネルギー蓄電用LiBの開発動向 -電力系統連系とスマートグリッドへの応用展開-

発刊日 2011年3月 ISBN978-4-7813-0350-5
体 裁 A4判,157頁


刊行にあたって
 最近の自然エネルギー(太陽光発電,風力発電)の利用システムの発展はめざましいものがある。2011年以降は日本国内における電力系統連係の実用化と,国際的にはスマートグリッドとの連係が本格的に検討されている。
 特に太陽光発電などは住宅用なども含めて,電力系統とは別の階層で発展してきた技術が基礎となっている。そのため,蓄電システムを介した系統連係によるエネルギー経済への寄与には,多くの研究開発の積み重ねが必要となる。本書ではそれら国内外の研究計画の動向を含め基礎資料には最新の情報を網羅した。
 発電と蓄電の組み合わせは,ケースバイケースで扱う時間(時定数;秒,分,時,日)の異なるシステムとなり,設備容量と蓄電容量の関係などは,技術用語なども含めてかなり理解し難い面がある。またシステムの核になる蓄電池には,種類や特性に多様性があるが,今後は大型リチウムイオン電池の開発動向を見据えての選択が課題となろう。
 最終的に実用上の大きな課題となるのはコストであるが,電力の蓄電コストについては,いくつかの前提条件をおいて試算している。本書が自然ネルギーの蓄電分野に携わる方々にとって有益な情報であることを確信してご購読をお勧めする。


書籍の内容

第1章 自然エネルギー導入計画と研究開発
1.自然エネルギー導入と研究開(計画と現状)
  1.1 国内(政府,民間)の動向
    (1)経済産業省ガイドライン
    (2)太陽光発電(VP)と風力発電(WT)
    (3)新エネルギーの国内導入実績データ
    (4)資源エネルギー庁ガイドライン
    (5)太陽電池の種類別,仕向先および用途別出荷
    (6)メガソーラ計画
    (7)メガソーラと蓄電システム
    (8)蓄電システムの促進
  1.2 研究開発の計画と概要
    NEDOの系統連系円滑化システム開発
  1.3 海外および国際機関
    海外と日本の異差
  1.4 参照資料

第2章 太陽光発電の特性
2.太陽光発電/PVの特性 電圧・電流,設備利用率
  (1)ソーラセル(パネル)の出力
  (2)ソーラセル(パネル)の出力W=電圧V×電流I
  (3)発電出力のパターンと特性
  (4)出力のピークと蓄電
  (5)蓄電システムとの関係
  (6)設備利用効率の問題

第3章 風力発電の特性
3.風力発電(WT)の特性
  (1)風力発電
  (2)AC出力とDC出力
  (3)DC発電とDC蓄電
  (4)交直変換装置と諸問題
  (5)小型風力発電

第4章 蓄電用デバイス
4.蓄電用デバイス
  4.1 蓄電用デバイスの特性と比較
    (1)パワー特性とエネルギー特性
    (2)時間のパラメーター
    (3)リチウムイオンセルの特性
    (4)蓄電用デバイス
  4.2 セルの充放電とサイクル寿命
    (1)セルの正常な動作領域
    (2)長期間使用するセルの充電とSOC
    (3)充電の過程とSOC
    (4)自然エネルギー蓄電用セル(1),サイクル特性の維持
    (5)自然エネルギー蓄電用セル(2),SOC幅と充放電レート
    (6)自然エネルギー蓄電用セル(3),パルス充電
  4.3 セルの安全性(規格と運用)
    (1)自然エネルギー蓄電池の安全性
    (2)安全性規格と安全性基準
    (3)UL,UN規格
    (4)安全性のガイドラインなど
    (5)電気事業連合会のJEAC規程
    (6)自然エネルギー蓄電特有の問題
    (7)電気用品安全法2008
    (8)安全試験の概要
    (9)自動車関係の安全試験
    (10)安全と時間的経過および充放電
  4.4 コスト問題(セルとシステム)
    (1)NEDOのRM2010
    (2)セルの原材料コスト
    (3)(正極+負極)コスト 円/kWh
    (4)セルの製造コストと原材料

第5章 大型リチウムイオン電池
5.大型リチウムイオン電池
  開発動向と諸特性およびコスト
    (1)NEDOプロジェクトの成果
    (2)北陸電力の100kWhシステム
    (3)NaS電池の概要
    (4)NaS電池と運用
    (5)自動車用電池の開発動向
    (6)全体の開発動向

第6章 蓄電システムの利用パターンとシステム
6.蓄電システムの利用パターンとシステム
  6.1 太陽光発電
    (1)自然エネルギー発電の特性と蓄電
    (2)系統連系のシステム概念図
    (3)系統連系規程など
    (4)出力の平滑化と時定数,蓄電池の動作
    (5)蓄電システムの適用と効果
    (6)既存の系統へ受入可能な電力
  6.2 風力発電
    (1)風力発電の周波数変動対策
    (2)出力の平滑化事例,NEDOプロジェクト
  6.3 発電設備と蓄電システムの容量
    (1)容量計算の前提と計算方法
    (2)試算結果のプロット
    (3)パラメーターと係数

第7章 スマートグリッドなど分散電力系との連系
7.スマートグリッドなど分散電力系との連系
  7.1 スマートグリッドなど分散電力系との連系
    (1)スマートグリッド
    (2)グリッド形式の自然エネルギー蓄電
    (3)研究事例(1)ユニバーサルエネルギー研究所
    (4)研究事例(2)GSYuasa
    (5)EV2Hのメリット,デメリット
    (6)劣化EV電池の試算
  7.2 スマートグリッド関係の国際規格の制定動向
    (1)概要
    (2)規格制定の経緯と動向
    (3)まとめ
  7.3 IEEE参照資料

第8章 発電と蓄電のコスト
8.発電と蓄電のコスト
  8.1 太陽光発電のコスト
    (1)コストの総括表
    (2)国内状況
    (3)各種発電ソースの発電コスト
    (4)蓄電コストの扱い方
    (5)住宅用ソーラ発電のコスト試算
    (6)補足説明とまとめ
  8.2 風力発電のコスト
    (1)設備費用をパラメーターとした試算
    (2)参考 kW,kWhおよびコスト
  8.3 自然エネルギー蓄電のコスト
    (1)時定数1/360〜12/1の範囲で試算
    (2)蓄電池のイニシャルコスト
    (3)蓄電池システムの性格
    (4)蓄電システムの運転コスト計算
    (5)蓄電コスト 円/kWh
    (6)コストのまとめ

第9章 関連する特許と解説
9.自然エネルギー発電と系統連系および蓄電システム関連特許
  9.1 調査のキーワードと出願状況
  9.2 技術内容-1
  9.3 技術内容-2
  9.4 関連特許のまとめ
  9.5 自然エネルギー発電と系統連系および蓄電システムに関連の深い特許(抜粋)
    (1)関西電力/ダイヘン-1
    (2)関西電力/ダイヘン-2
    (3)住友電気工業 他
    (4)東京電力-1
    (5)東京電力-2
    (6)日本電池
    (7)三菱重工

高機能アクリル樹脂の開発と応用

研究者向け科学技術書籍のご紹介

高機能アクリル樹脂の開発と応用

監 修 西久保忠臣
発刊日 2011年3月 ISBN978-4-7813-0329-1
体 裁 B5判,241頁


刊行にあたって
 産業界で利用されているアクリル樹脂の特徴を典型として挙げることは困難である。アクリル樹脂は汎用ポリマーから機能性ポリマーまであり,今後とも様々な分野への応用が可能性が極めておおきな樹脂であるためである。その様な観点から本書「高性能アクリル樹脂の開発と応用」の各項目は,多様なアクリル樹脂の中でも現状においても重要であり,さらに今後の発展が期待できる応用分野について,それぞれの分野で活躍中の技術者,研究者により概説されている。
 アクリル樹脂には基本的にメタクリル酸エステル型とアクリル酸エステル型の2系列がある。この分類で考えると,その性能や特徴を的確にとらえることができる。すなわち,一般的にch2=c(ch3)coorで示されるメタクリル酸エステル型モノマーに対応するポリマーは,ch2=chcoorで示されるアクリル酸エステル型モノマーに対応するポリマーに比べると,ポリマーのガラス転移温度(tg)が高く,高強度の透明な樹脂材料である。その代表例がメチルメタクリレート重合体(および共重合体)で,光ファイバー,光記録材料,水族館の透明ガラスなどに利用されているポリメチルメタクリレート(pmma)である。一方,アクリル酸エステル型モノマーに対応するポリマーは,一般的にtgは低く,その特徴を生かした代表的な用途は,エチルアクリレート共重合体で耐熱性に優れたアクリルゴムや,ブチルアクリレートあるいは2-エチルヘキシルアクリレート共重合体等の種々の粘着剤や接着剤がある。
 アクリル系モノマーは,それぞれの目的に合った高分子材料を得るための万能要素として有用であり,今後とも様々な高性能材料や機能材料の合成原料となることが特徴的である


書籍の内容

第1章 総論〜高機能アクリル樹脂の開発と応用〜
西久保忠臣

【アクリル樹脂材料編】

第2章 メタクリレートモノマー
                                            (井上和孝,内藤啓幸)
1 はじめに
2 歴史
3 生産の動向
4 種類と用途
5 製法
6 メタクリレートモノマーの種々の性質

第3章 グリシジルメタクリレート
                                            (竹内 球)
1 グリシジルメタクリレートとは
  1.1 一般的性質
  1.2 製法
  1.3 利用の基本概念
2 グリシジルメタクリレートポリマー
  2.1 グリシジルメタクリレートポリマーの特長
  2.2 ホモポリマーの熱安定性について
  2.3 各種コポリマーの性状
3 グリシジルメタクリレートのエポキシ基の変性
  3.1 (メタ)アクリル酸による変性
  3.2 不飽和脂肪酸による変性
  3.3 水による開環
  3.4 3級アミン塩による変性
  3.5 その他の変性反応
4 グリシジルメタクリレートの応用例


【光硬化樹脂材料編】
第4章 (メタ)アクリレートモノマーの一般特性と機能性モノマーの特徴

                                            (亀井淳一)
1 はじめに
2 (メタ)アクリレートの構造と機能
  2.1 アクリレートとメタクリレートの違い
  2.2 官能基数と特性
  2.3 UV硬化モノマーとしての使用例
3 (メタ)アクリレートの製造方法と特徴
  3.1 脱水エステル化法
  3.2 エステル交換法
  3.3 その他の製造方法
  3.4 製法がモノマーの品質に及ぼす影響
4 機能性(メタ)アクリレートモノマーの構造と特性
  4.1 ジシクロペンタジエン系単官能モノマー
  4.2 機能性(メタ)アクリレートモノマー
5 日立化成工業㈱が取り扱う(メタ)アクリレートモノマーと物性のリスト

第5章 ジオキソランとオキセタンアクリレート
                                            (猿渡欣幸)
1 はじめに
2 モノマー構造と物性値
3 希釈モノマーとしての使用方法
4 ハイブリッドモノマーとしての使用方法
5 ラジカル重合用のフォトポリマーの設計について
6 カチオン重合用のフォトポリマーの設計について
7 おわりに

第6章 マレイミドアクリレート
                                            (岡崎栄一)
1 はじめに
2 マレイミド化合物の光化学
  2.1 マレイミドとビニルエーテルの交互共重合
  2.2 マレイミドとアクリル系モノマー・オリゴマーの混合系の反応
  2.3 マレイミド単独の反応
  2.4 マレイミド環の置換基による反応性の差異
3 マレイミドアクリレートの特性
  3.1 ラマン分光法を利用したマレイミド基の反応性解析
  3.2 コーティング剤への応用
4 マレイミドアクリレートポリマーの特性

第7章 エポキシアクリレートとウレタンアクリレート
                                            (諸岩哲治)
1 エポキシアクリレート
  1.1 はじめに
  1.2 硬化方法と用途概要
  1.3 樹脂構造からみた特徴
    1.3.1 反応性希釈剤
    1.3.2 アクリロイル基とメタクリロイル基
    1.3.3 エポキシアクリレート骨格中の水酸基の変性
  1.4 近年のエポキシアクリレート
    1.4.1 プリント配線板用アルカリ可溶型エポキシアクリレート
    1.4.2 光学用エポキシアクリレート
    1.4.3 その他
2 ウレタンアクリレート
  2.1 はじめに
  2.2 硬化方法と用途概要
  2.3 樹脂構造からみた特徴
    2.3.1 反応性希釈剤
    2.3.2 原料の特徴
  2.4 近年のウレタンアクリレート
    2.4.1 ウレタンアクリレートの低粘度化
    2.4.2 高耐熱ウレタンアクリレート
    2.4.3 アルカリ可溶型ウレタンアクリレート
3 おわりに

第8章 リワーク型UV硬化樹脂
                                            (白井正充)
1 はじめに
2 リワーク型アクリル系モノマーの分子設計
3 UV硬化と分解・可溶化
4 UV硬化系の重合連鎖解析への応用
5 おわりに

第9章 高性能光硬化性材料
                                            (伊豫昌己)
1 はじめに
2 シラン変性オリゴマー
3 感光性ポリイミド化合物など
  3.1 イミドアクリレートモノマー
  3.2 感光性前駆体からの変換
  3.3 末端にメタクリロリル基を有するハイパーブランチポリイミド
4 脂環式骨格化合物
  4.1 脂環式モノメタクリレート
  4.2 ビシクロへキサン環を有するエポキシアクリレート
5 ベンゾオキサジン環含有化合物
  5.1 プロパルギルエーテル基を有する化合物
  5.2 マレイミド基を有する化合物
6 ハイパーブランチポリマー
7 光硬化性カリックスアレーン
8 新規紫外線吸収剤
9 おわりに


【アクリル樹脂応用編】

第10章 PMMAの光学部材への応用と高機能化
                                            (岸本祐一郎)
1 はじめに
2 メタクリル樹脂の種類と特徴
  2.1 板
  2.2 成形材料
3 アクリル樹脂の一般的性質
  3.1 光学的性質
  3.2 機械的強度
  3.3 耐候性
4 PMMAの光学部材への応用
  4.1 導光板
  4.2 プラスチック光ファイバー
  4.3 プラスチックロッドレンズ
5 高機能化製品
  5.1 表面硬化メタクリル樹脂板
  5.2 塗装代替用メタクリル樹脂フィルム
  5.3 モスアイ型反射防止フィルム
6 まとめ

第11章 高温連続ラジカル重合による無溶剤型アクリルポリマーの応用
                                            (米田耕太郎)
1 はじめに
2 高温連続ラジカル重合プロセス
3 高温連続ラジカル重合技術の特徴
4 高温ラジカル重合と分子量の関係
5 高温ラジカル重合における分子量決定の機構
6 「ARUFON」の製品群
7 シーリング・接着剤用添加剤への応用
  7.1 アクリル高分子可塑剤(UP,USシリーズ)
  7.2 アクリル高分子ウレタン系基材(UHシリーズ)
8 プラスチック添加剤への応用
  8.1 反応性改質剤(UGシリーズ)
  8.2 流動性改質剤,可塑剤
9 マクロモノマー(UMシリーズ)
10 おわりに

第12章 LCD光学フィルム用粘着剤への応用
                                            (佐竹正之)
1 はじめに
2 光学用粘着剤に対する要求特性
3 LCD光学フィルム用粘着剤の要求特性
4 高耐久性
5 再剥離性(リワーク性)
6 表示均一性
7 おわりに

第13章 アクリル系粘接着剤の半導体プロセスなどへの応用
                                            (加納義久,青垣智幸,宮城秀文)
1 はじめに
2 UV硬化型粘着剤の組成と配合
3 粘着特性の低減メカニズム
4 粘着特性の評価方法
  4.1 剛体振り子型粘弾性装置の特徴と仕組み
  4.2 UV硬化型粘着テープの評価
  4.3 微小凝集力

第14章 光硬化型接着剤への応用
                                            (渡辺 淳)
1 はじめに
2 光硬化型接着剤の概要
  2.1 構成
  2.2 硬化機構
3 アクリル系光硬化型接着剤「ハードロックUVXシリーズ」の基本特性およびその特長
4 アクリル系光硬化型仮固定用接着剤「テンプロック」について
  4.1 仮固定用接着剤について
  4.2 仮固定用接着剤「テンプロック」の開発のコンセプト
  4.3 仮固定用接着剤「テンプロック」の剥離機構
  4.4 仮固定用接着剤「テンプロック」の適用事例

第15章 アクリル系樹脂塗料
                                            (角田 剛)
1 はじめに
2 自動車用クリヤーコートの機能と要求
3 自動車用クリヤーコートのアクリル樹脂設計
4 耐酸性雨
5 耐擦り傷性
6 VOC低減
7 CO2低減
8 今後のクリヤーコート技術について


【光硬化樹脂応用編】

第16章 プラスチックUVハードコーティング剤への応用
                                            (木村和毅)
1 UVハードコーティング剤用途と要求物性
2 UVハードコーティング剤使用材料
  2.1 UV硬化システムとその材料
  2.2 アクリレートオリゴマー
  2.3 アクリレートモノマー
  2.4 光重合開始剤その他
3 UVハードコーティング剤の高性能化と高機能化
  3.1 UVハードコーティング剤の高硬度化
  3.2 UVハードコーティング剤の低カール化
  3.3 UVハードコーティング剤への帯電防止性付与
  3.4 UVハードコーティング剤の屈折率調整
  3.5 UVハードコーティング剤への防汚性,耐指紋性付与
  3.6 UVハードコーティング剤への可とう性付与
  3.7 UVハードコーティング剤水系化
4 おわりに

第17章 有機・無機ハイブリッドコート
                                            (篠原宣康)
1 はじめに
2 硬化特性
3 透明性
4 硬化収縮の低減と硬度の発現
5 高屈折率化
6 微粒子分散ハードコートの各種用途への展開
  6.1 反射防止膜への応用
  6.2 帯電防止コートへの応用
7 おわりに

第18章 新規なUV硬化性含フッ素ポリマーとディスプレー用反射防止への応用
                                            (荒木孝之)
1 はじめに
2 含フッ素アクリル樹脂の光学特性とその応用
3 UV硬化性フッ素ポリマーの特徴
  3.1 UV硬化反応性
  3.2 反応率と硬度との関係
  3.3 酸素阻害の影響
  3.4 硬度と屈折率の関係
4 反射防止コーティングへの応用
  4.1 反射防止の原理
  4.2 反射防止フィルムの光学設計
  4.3 オプツールARの反射防止フィルムへの適用
5 おわりに

第19章 ナノインプリント用光硬化樹脂
                                            (川口泰秀)
1 はじめに
2 光ナノインプリント用光硬化樹脂
  2.1 重合タイプによる分類
    2.1.1 カチオン重合タイプ
    2.1.2 ラジカル重合タイプ
  2.2 用途による分類
    2.2.1 レジスト用途
    2.2.2 永久膜用途
    2.2.3 レプリカモールドについて
    2.2.4 レプリカモールド用途
  2.3 各メーカー,研究機関の開発動向
3 旭硝子のナノインプリント用光硬化樹脂(NIF)
  3.1 はじめに
  3.2 レジスト用及び永久膜用NIF
  3.3 レプリカモールド用NIF
4 おわりに

第20章 EUVレジストへの応用

                                            (小島恭子)
1 EUVリソグラフィとフォトレジスト材料
2 EUVレジスト
  2.1 EUVレジストへの要求
  2.2 EUVレジストの反応機構と材料選択指針
  2.3 高分子ベースのポジ型EUVレジスト材料
  2.4 低分子ベースのEUVレジスト材料
    2.4.1 低分子レジスト
    2.4.2 ポジ型低分子レジスト
    2.4.3 ネガ型低分子レジスト
  2.5 その他のEUVレジスト材料
    2.5.1 ポジ型材料
    2.5.2 ネガ型材料
3 感度・解像度・LERのトレードオフとパターン倒壊に関する取り組み
  3.1 感度・解像度・LERのトレードオフとパターン倒壊
  3.2 プロセスによる改善
4 今後の見通しとまとめ

フォトニックナノ構造の最近の進展

研究者向け科学技術書籍のご紹介

フォトニックナノ構造の最近の進展

監 修 野田進
発刊日 2011年3月 ISBN978-4-7813-0205-8
体 裁 B5判,276頁


刊行にあたって
 21世紀は,光の時代といわれている。無尽蔵にある太陽エネルギーの利用,光の超高速性を活かした新しい通信・情報処理,超高効率発光デバイス・固体照明,さらには量子情報処理に至るまで,光が担う役割はますます重要となっている。このような光を自在に制御する概念を構築し,活用していくことは極めて重要といえる。
 本書は,「フォトニック結晶」,「メタマテリアル」,「プラズモニクス」などをキーワードとするフォトニックナノ構造により,光を自在に制御し,応用していく最近の試みと将来展望をまとめたものである。
 まず,第1編では,フォトニック結晶およびメタマテリアルの近年の進展状況について,それぞれ概観し,続く第2〜6編の橋渡しの役割も果たしている。両分野とも近年著しい進展を示していることを感じ取っていただければ幸いである。
 第2編では,近年の光分野の大きなトピックスの1つである,光を減速する,あるいは止める,すなわちスローライト,ストップライトに焦点を当て,その現状を解説する。特に,フォトニック結晶ナノ共振器やナノ導波路を用いて,光の操作の最新動向を記述している。第3編では,量子情報,量子通信への応用を睨んだナノフォトニクスの進展について記述されている。単一光子光源の進展,ナノ共振器電磁力学,さらには,ナノ共振器特有の新規な発光現象,また,光メディアと電子メディアの情報変換などの興味深い内容が記述されている。
 第4編では,固体照明の一層の進展・高度化に向けて,窒化物半導体ナノ構造の制御による高効率発光制御やプラズモン効果,フォトニック結晶効果による光取り出し効率増大の試みが記述されている。第5編では,フォトニック結晶を活用した,大面積コヒーレント発振可能な全く新しい概念の半導体レーザの進展や,さらには,熱光発電による超高効率太陽発電の最近の動向についての記述がなされている。第6編では,フォトニック結晶やプラズモンを活用した新しいセンサー応用,さらには,メタマテリアルを活用した超分解現象についての最近の進展が記載されている。
 以上,フォトニックナノ構造を活用した,様々なナノサイエンス,新しい応用,産業展開の一端が垣間見られるような構成になっており,きっと満足いただけるものと自負している。

「はじめに」より
野田 進



書籍の内容

第1編 総論

第1章フォトニック結晶の進展
                                            (野田 進)
1 まえがき
2 バンドギャップ・欠陥エンジニアリング
  2.1 2次元フォトニック結晶スラブ
    2.1.1 線・点複合欠陥系による光機能
    2.1.2 ヘテロ構造の導入とその効果
    2.1.3 高Qナノ共振器とその応用
    2.1.4 非線形機能,アクティブ機能の導入
  2.2 3次元フォトニック結晶
    2.2.1 3次元フォトニック結晶作製技術の現状
    2.2.2 自然放出制御
    2.2.3 光伝搬制御
3 バンド端エンジニアリング
  3.1 バンド端における共振作用の概要
  3.2 2次元フォトニック結晶レーザの大面積コヒーレント動作
  3.3 格子点制御とモード制御
4 バンドエンジニアリング
  4.1 群速度制御
  4.2 光伝搬角制御
5 まとめ

第2章PhotonicMetamaterialsandApplicationExamples
                                            (KamilBoratayAlici,AndriyE.Serebryannikov,EkmelOzbay)
1 Abstract
2 Introduction
3 Methodology
  3.1 DesignSimulations
  3.2 Nano-Fabrication
  3.3 Experiment
4 ResultsandDiscussions
  4.1 Polarizationdependenttransmissionresponse
  4.2 Tunabilityviaabufferlayer
  4.3 Densityofsplitringresonators
  4.4 Shiftofmagneticresonancefrequency
  4.5 Metalpropertiesandresonanceproperties
5 Aconfigurationforenhancement
6 Anabsorberforsolarcellefficiency
7 Conclusion


第2編 SlowLight,StoppingLight

第3章フォトニック結晶ナノ共振器の進展
1 フォトニックナノ共振器の進展(浅野 卓,野田 進)
  1.1 はじめに
  1.2 包絡線関数制御によるQ値増大の原理
  1.3 格子点シフト導入による共振器の改良
  1.4 ヘテロ構造型共振器
  1.5 まとめ

2 Q値の動的制御とストッピングライト(田中良典,野田 進)
  2.1 はじめに
  2.2 共振器Q値の動的制御とストッピングライト
  2.3 光パルスの捕獲の実験的検証
  2.4 まとめ

3 結合共振器とスローライト(納富雅也)
  3.1 スローライトについて
  3.2 共振器を用いたスローライト
  3.3 フォトニック結晶ナノ共振器によるスローライト
  3.4 大規模ナノ共振器アレイによるスローライト
  3.5 まとめ

第4章 フォトニック結晶導波路とスローライト
1 概要(馬場俊彦)
  1.1 はじめに
  1.2 様々な構造
  1.3 フォトニック結晶スラブ線欠陥導波路とバンド特性
  1.4 製作と光伝搬特性
  1.5 曲げ構造,接続構造
  1.6 まとめ

2 スローライトと光バッファー応用(馬場俊彦)
  2.1 はじめに
  2.2 スローライトへの期待
  2.3 スローライトの原理と性質
  2.4 広帯域で分散のないスローライト
  2.5 チャープ制御による可変スローライト
  2.6 まとめ

3 Dispersionengineeringinphotoniccrystalwaveguides(ThomasFKrauss)
  3.1 Introduction
  3.2 Materialdispersion
  3.3 Structuraldispersion
  3.4 Groupvelocitydispersion:Motivationforflatbandslowlight
  3.5 Dispersioncurveanticrossing:akeytool
  3.6 Dispersionengineering
  3.7 Example1:Mach-Zehndermodulator
  3.8 Example2:Directionalcoupler
  3.9 Conclusion

4 Slowlightenhancednonlinearopticsinsiliconphotoniccrystalwaveguides(ChristelleMonat,BenjaminJ.Eggleton)
  4.1 Introduction
  4.2 Enhancingthenonlinearopticalresponseinwaveguides
  4.3 ModellingnonlinearphenomenainslowlightPhCwaveguides
  4.4 LowdispersionslowlightPhCwaveguides
  4.5 SelfPhaseModulationexperiments
  4.6 ThirdHarmonicGenerationexperiments
  4.7 Conclusion


第3編 量子情報,量子通信

第5章 単一光子源開発の進展
                                            (竹本一矢)
1 はじめに
2 単一光子源の種類
3 オンデマンド型単一光子源
4 半導体量子ドット単一光子源
5 電流注入型量子ドット単一光子源
6 まとめ―単一光子源実用化に向けて

第6章 フォトニックナノ構造における共振器量子電気力学の進展
                                            (岩本 敏,荒川泰彦)
1 はじめに
2 共振器量子電気力学の基礎〜弱結合と強結合〜
3 フォトニック結晶ナノ共振器と量子ドット融合系における強結合状態の実現
4 弱結合状態の応用〜単一量子ドットレーザの実現〜
5 まとめ

第7章 フォトニックナノ構造と量子ナノ構造の特異な物理現象
                                            (浅野 卓,野田 進)
1 はじめに
2 理論計算モデルおよび計算結果
3 まとめ

第8章 光子と電子の量子メディア変換
                                            (小坂英男)
1 はじめに
2 光子と電子の量子メディア変換に関する基礎知識
  2.1 光電変換と量子メディア変換
  2.2 電子と正孔の量子もつれ
  2.3 光子と電子のスピン状態表現
3 光子から電子スピンへの状態転写
  3.1 エネルギー保存
  3.2 量子位相保存
  3.3 スピン状態転写の実験
4 電子スピン状態トモグラフィ
  4.1 トモグラフィ
  4.2 トモグラフィックカー回転
  4.3 スピン状態トモグラフィの実験
5 量子メディア変換デバイスと量子中継応用
6 まとめと今後の展望


第4編 超高効率発光の開発,固体照明へ向けて

第9章 窒化物ナノ構造の進展
                                            (川上養一)
1 はじめに
2 極性c面上InGaN/GaN量子井戸における再結合過程
3 半極性面上InGaN/GaN量子井戸の物性とLED特性
4 おわりに

第10章 プラズモニクスの光デバイス応用
                                            (岡本晃一)
1 はじめに
2 固体発光素子の現状
3 表面プラズモン結合が及ぼす影響
4 プラズモニクスによる発光増強
5 表面プラズモン結合の機構
6 高効率プラズモニックLEDの可能性
7 プラズモニクスの高効率太陽電池への応用
8 おわりに

第11章 フォトニック結晶効果
                                            (冨士田誠之,野田 進)
1 はじめに
2 フォトニック結晶による発光制御の原理実証
3 窒化物半導体へのフォトニック結晶形成と発光特性
4 おわりに


第5編 新型発光デバイス,太陽電池

第12章 大面積コヒーレント・フォトニック結晶レーザ
                                            (大西 大,野田 進)
1 はじめに
2 フォトニック結晶レーザの構造
3 フォトニック結晶レーザの発振原理
4 フォトニック結晶レーザの特長
5 フォトニック結晶レーザの高出力化
6 アレイ高出力フォトニック結晶レーザ
7 まとめ

第13章 多様なビームパターンの発生とその応用
                                            (酒井恭輔,野田 進)
1 はじめに
2 フォトニック結晶構造の制御による多様なビームパターンの生成
3 方位偏光ドーナツ状ビームによる光ピンセット
4 径偏光ドーナツ状ビームによる微小集光
5 まとめ

第14章 Compressingsolarbandwidthusingnanophotonics-basedsolarthermophotovoltaicsystems
                                            (EdenRephaeli,ShanhuiFan)
1 Abstract
2 Introduction
3 AsimplemodelofthesolarTPVsystem
4 Analysisofintermediateefficiencyandabsorberdesign
  4.1 Intermediateefficiency
  4.2 Absorberdesign
5 Solarcellefficiencyandemitterdesign
  5.1 Solarcellefficiency
  5.2 Emitterdesignrequirements
  5.3 Emitterdesign
6 Systemefficiency
7 Conclusions


第6編 センシング,超分解

第15章 フォトニック結晶偏光センサ
                                            (川嶋貴之)
1 はじめに
2 面型フォトニック結晶
3 自己クローニング法
4 偏光子・波長板
  4.1 フォトニック結晶偏光子
  4.2 フォトニック結晶長板
  4.3 フォトニック結晶偏光素子の特徴
5 偏光イメージセンサ
  5.1 偏光子型偏光イメージセンサ
  5.2 波長板型偏光イメージセンサ
  5.3 複合型偏光イメージセンサ
6 偏光カメラ
7 位相差測定器
8 エリプソメータ
9 まとめ

第16章 プラズモンセンサーの現状
                                            (玉田 薫)
1 はじめに
2 伝搬型表面プラズモンセンサー
3 局在プラズモンセンサー
4 表面プラズモン増強蛍光測定
5 プラズモニック結晶型センサー

第17章 メタマテリアルによる超分解
                                            (北野正雄,中西俊博)
1 メタマテリアルによる負屈折と集光効果
2 回折限界と完全レンズ
  2.1 吸収および媒質パラメータの不完全性の影響
  2.2 完全レンズの実験的検証
3 負誘電率による完全レンズ
4 多層金属膜による完全レンズとハイパーレンズ
5 まとめ

ロールtoロール技術の最新動向 ―プロセス最適化への課題と解決策

ロールtoロール技術の最新動向 
―プロセス最適化への課題と解決策

監 修 杉山征人
発刊日 2011年3月 ISBN978-4-7813-0321-5
体 裁 B5判,249頁

刊行にあたって
 ロールtoロール方式は、ロール状に巻いた長さ数百m〜数kmのフィルム基板を巻き戻す過程で、蒸着・スパッタリングやコーティングなどの方法でプラスチックフィルム上に連続的に成膜し機能性フィルムとする生産方式である。この方式は、金銀糸用の装飾膜、食品などの包装フィルム用バリア膜、フィルムコンデンサー用金属電極、フレキシブルプリント配線板などの製造プロセスとして50年以上の歴史がある。中でもITO薄膜をプラスチックフィルム基板に形成した透明導電性フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイをはじめとするフラットパネル・ディスプレイ、電子ペーパー有機ELディスプレイ太陽電池、タッチパネル用の透明電極として電子情報社会の必須アイテムとなっている。機能性フィルムの応用商品は、ロール状に巻いた状態のままフィルム基板に機能素子を集積し最終製品の段階でカットされ電子デバイスを作る新たな製造技術へと発展する。この結果、ロールtoロール技術は「システム・オン・フィルム」、「ラージエリヤエレクトロニクス」、「アンビエントエレクトロニクス」といった21世紀の基本技術と位置づけられ、現在の"ユビキタス情報社会"から"アンビエント情報社会"への展開に寄与する基礎技術の一つとなると考えられる。

 機能性の薄膜をロールtoロール方式により形成したフィルムにはSiウェハやガラス基板などを用いたシートtoシート(枚葉)生産方式に対比して二つのメリットがある。一つは、プラスチックフィルムを基板とすることによる電子デバイスの薄型化、軽量化、フレキシブル化といったメリットである。フレキシブルな基板を使った電子デバイスの開発は「フレキシブルエレクトロニクス」といわれている。薄膜形成(PVD、CVD、コーティング)に加えて、フォトリソグラフィエッチング、印刷、インクジェット、ラミネーション、転写、成型などの加工技術と、多様な材料技術を組み合わせることにより新しいフレキシブル電子デバイスへの応用が拓ける。もう一つはロールtoロール方式という低コスト化、高生産性を実現可能にする製造技術面のメリットであり、環境とエネルギーにも配慮した、より汎用性のある生産技術である。フィルム基板は装置の間を連続的に流れることになるため、製造プロセスのエネルギー、人員、(工場)スペース、物流、等々の大幅コストダウンが期待できる。

 しかしながら、ロールtoロール方式による「フレキシブルエレクトロニクス」の開発には装置やプロセス、材料や製品の特性など解決すべき課題が多く存在する。具体的にはプラスチックフィルムの低耐熱性による膜形成条件の制限やフィルムハンドリングに伴うシワ、カール、フィルムの脱ガス、前処理など、各種の成膜プロセスの制限である。製造プロセスの革新を産業化に結びつけることは、これらの製造条件を装置的に実現することである。このためには、要求される性能と耐久性をプラスチックフィルム上で満足させる材料技術だけでなく、製造を可能にする装置やプロセスなどが抱えるこれらの課題を克服する必要がある。プロセスの課題の解決には実務経験の科学的分析を通して普遍的な知識として体系化することが必要であるが、現時点では多くの場合、現場のノウハウや暗黙知により行われているにすぎない。このことが、生産現場における特性のコントロールやロール間の再現性、収率の低下などを引き起こす要因となり、また基礎研究から開発、さらには生産に至る各ステージへの移行に不連続性を引き起こす原因となる。

 本書においては、ロールtoロール方式の最新技術動向を網羅し、その要素技術、製造装置、トラブル対策などR&Dから生産現場における問題をできるだけ体系化し、枚葉処理にはなかったロールtoロール技術特有の課題を解決するヒントを示せる内容とすることを試みた。さらに、ロールtoロール技術が拓くアプリケーションの一部も紹介しその将来性を明確化することを目的とした。本書は、このような観点からそれぞれこの分野の第一線でご活躍の第一人者に執筆をお願いし、ロールtoロールに関するご研究の一端をご紹介いただいた。本書がロールtoロールの開発分野で日夜奮闘されている技術者の皆様の研究・開発・生産の一助になれば幸いである。

(「はじめに」より)


書籍の内容

序章 ロールtoロールとは?(特徴と課題)(杉山征人)
  1 はじめに
  2 ロールtoロール生産方式が拓く世界
  3 ロールtoロールで用いられる製造方法
  4 フレキシブルデバイスおよびロールtoロール生産方式の課題
  5 ロールtoロール技術の動向

第1章 ロールtoロール用フレキシブル基板の開発
  1 透明プラスチック基板材料としてのシクロオレフィンポリマー(COP)の技術動向(池田功一)
   1.1 はじめに
   1.2 シクロオレフィンポリマーとは
    1.2.1 ZEONEX?
    1.2.2 ZEONOR?
   1.3 透明プラスチックフィルム基板用ポリマーとしてのシクロオレフィンポリマーの特長と技術動向
    1.3.1 透明性
    1.3.2 耐湿性と水蒸気バリア性
    1.3.3 耐候性付与技術
   1.4 まとめ
  2 絶縁膜付きステンレス箔基板の開発(小倉豊史)
   2.1 ステンレス箔の特徴と用途
   2.2 ステンレス箔の種類と特性
    2.2.1 化学的安定性(耐食試験)
    2.2.2 形状復元性(フレキシビリティ)
    2.2.3 ステンレス箔表面の粗さ改善
   2.3 電子材料用絶縁膜付きステンレス箔の特性
    2.3.1 絶縁膜付きステンレス箔の表面粗さ
    2.3.2 絶縁信頼性
    2.3.3 耐熱性と熱膨張特性
   2.4 絶縁膜付きステンレス箔のディスプレイ基板としての特性

第2章 ロールtoロールによる成膜要素技術
  1 精密塗工技術(金子四郎)
   1.1 精密塗工技術の概要と課題・問題点およびトラブル対策
   1.2 ダイコート技術の概要・特徴
    1.2.1 塗布性について
    1.2.2 塗布量分布について
    1.2.3 塗布可能領域について
    1.2.4 現場の実用化時の課題・問題点およびトラブル対策(具体的対応)
   1.3 グラビアコートの概要と課題
    1.3.1 塗布量を決める要因
   1.4 バーコートの概要と課題
   1.5 機能性フィルムの精密塗工技術を支えている周辺技術の概要
    1.5.1 脱泡技術
    1.5.2 濾過技術
    1.5.3 洗浄技術の強化
    1.5.4 クリーン化技術
  2 気相からの薄膜堆積(PVDおよびCVD)成膜要素技術(草野英二)
   2.1 気相からの薄膜堆積成膜要素技術の概要
   2.2 物理気相堆積法
    2.2.1 蒸着法
    2.2.2 スパッタリング法
   2.3 化学気相堆積法
  3 めっき成膜要素技術(縄舟秀美)
   3.1 はじめに
   3.2 FPCおよびTAB・COFテープ
   3.3 ロールtoロールめっきプロセス
    3.3.1 電気めっきと無電解めっき
    3.3.2 TAB・COFテープのめっき
   3.4 おわりに
  4 スパッタプロセスにおけるシミュレーション技術(中野武雄)
   4.1 はじめに
   4.2 プラズマのシミュレーション
   4.3 ターゲットにおけるスパッタリング現象のシミュレーション
   4.4 スパッタ粒子の輸送過程のシミュレーション
   4.5 基板上における薄膜形成過程のシミュレーション
   4.6 まとめ

第3章 ロールtoロール式ナノインプリントプロセス
  1 ロールtoロールによるUVナノインプリント技術とその応用(小久保光典)
   1.1 はじめに
   1.2 ナノインプリント技術
   1.3 ロールtoロール式UVナノインプリント
    1.3.1 プロセス装置
    1.3.2 プロセスパラメータ
    1.3.3 ロールtoロール式インプリント用モールド
    1.3.4 パターン転写結果
   1.4 ロールtoロール式インプリントの応用展開
    1.4.1 光学シート
    1.4.2 太陽電池
    1.4.3 今後の課題
   1.5 まとめ
  2 UVナノインプリントにおけるモールド作製技術と離型性(谷口 淳)
   2.1 はじめに
   2.2 電子ビーム露光によるモールド作製技術
   2.3 モールドの表面形状と離型性の関係
   2.4 おわりに

第4章 ロールtoロール製造装置
  1 フレキシブルエレクトロニクス向けロールtoロール・スパッタリングの最新動向(Reiner Kukla)
   1.1 要旨
   1.2 はじめに
   1.3 新たな技術要件と製造装置への実装
    1.3.1 フレキシブルプリント基板(FPCB)
    1.3.2 タッチパネル上部電極
    1.3.3 ロールtoロールによるソーラーパネルの裏面電極と表面電極
    1.3.4 量産用ロールコータの一般的技術要件
   1.4 最新のロールtoロール・コーティング装置SmartWeb
   1.5 生産コストを左右する装置品質
   1.6 業界でのSmartWeb使用例
   1.7 まとめ
  2 イオンプレーティング成膜要素技術および成膜装置(今野正則、安倉秀明)
   2.1 はじめに
   2.2 イオンプレーティング法とは
   2.3 アークプラズマイオンプレーティング成膜装置によるロールtoロール成膜
    2.3.1 成膜装置
    2.3.2 浦本ガンと膜特性
    2.3.3 複数ガンによる生産装置
   2.4 まとめ
   2.5 あとがき
  3 バリアフィルム用ロールtoロールプラズマCVD装置(沖本忠雄)
   3.1 はじめに
   3.2 フレキシブルバリア膜形成の課題
   3.3 ロールtoロールプラズマCVD
    3.3.1 動作原理
    3.3.2 フレキシブルなバリア皮膜を形成できるCVDプロセス
    3.3.3 低コンタミネーションプロセスによる安定性確保
    3.3.4 優れた成膜効率、成膜速度と幅方向に対しての均一性
   3.4 装置紹介
    3.4.1 小型高機能CVDロールコータ(W35シリーズ)
    3.4.2 生産用途への適用
   3.5 まとめ
  4 大気圧プラズマ表面処理装置(上原 剛)
   4.1 はじめに
   4.2 大気圧プラズマの発生原理
   4.3 ロール―平板電極型大気圧プラズマ表面処理装置
   4.4 モノマープラズマ表面処理装置
   4.5 おわりに
  5 ロールtoロール露光装置最新動向(宮川展明)
   5.1 はじめに
   5.2 各種露光方式の特長について
    5.2.1 コンタクト/プロキシミティ露光
    5.2.2 一括投影露光
   5.3 露光装置動向
    5.3.1 大面積一括投影露光装置「UFX-2882BX」
    5.3.2 ファインピッチ対応投影露光装置「UFX-2477BX」
    5.3.3 プロキシミティ露光装置「UFX-3500」
   5.4 おわりに

第5章 プロセス最適化
  1 ロールtoロールスパッタの問題点と対策〜枚葉プロセスとの比較(杉山征人)
   1.1 はじめに
   1.2 スッパッタ用ロールtoロール装置
   1.3 スパッタ中のフィルムの熱的挙動
   1.4 ロールtoロールスパッタでの欠陥発生対策
   1.5 幅方向、長さ方向における膜厚・特性の分布
   1.6 ロールtoロールプロセスの特徴と品質不良の対策
  2 ロールtoロールスパッタプロセスにおける成膜速度の向上(小島啓安)
   2.1 はじめに
   2.2 反応性スパッタとは
   2.3 ヒステリシス、遷移領域について
   2.4 遷移領域制御
   2.5 インピーダンス制御
   2.6 プラズマエミッション(PEM)制御
   2.7 ダメージレスカソード開発
  3 ロールtoロールにおける搬送制御〜スキュー・しわ対策(矢鍋重夫)
   3.1 はじめに
   3.2 折れしわ発生実験
   3.3 シミュレーションのモデルおよび方法
   3.4 スキューのシミュレーション結果
    3.4.1 ウェブのスキュー特性
    3.4.2 自由搬送部のスキューレートに及ぼすパラメータの影響
   3.5 折れしわ発生のシミュレーション結果
    3.5.1 折れしわ発生過程
    3.5.2 パラメータが折れしわ発生に及ぼす影響
   3.6 おわりに
  4 ロールtoロールにおける搬送制御〜蛇行修正技術(山下信也)
   4.1 はじめに
   4.2 EPCとCPC
   4.3 蛇行発生原因
    4.3.1 ロールtoロール搬送系ロール間ミスアライメント
    4.3.2 ウェブとロール間の摩擦力不足および張力不足によるウェブの滑り
    4.3.3 搬送時の張力変動
    4.3.4 加工・塗工・熱処理工程などによる外乱要素
   4.4 EPC制御装置の各要素
    4.4.1 検出部
    4.4.2 演算部
    4.4.3 操作部
   4.5 ウェブの挙動
   4.6 蛇行修正制御
    4.6.1 巻き出しEPC制御
    4.6.2 中間部EPC制御
    4.6.3 巻き取りEPC制御
   4.7 おわりに
  5 ロールtoロール・スパッタプロセスにおける欠陥への対策と評価(多田 勲)
   5.1 はじめに
   5.2 近年の技術動向(フレキシブル化)
   5.3 ロールtoロール・プロセスにおける欠陥
    5.3.1 装置(ハード)起因
    5.3.2 成膜プロセス起因
   5.4 ロールtoロール・スパッタプロセスにおける欠陥対策
    5.4.1 成膜ゾーンにおける熱負け
    5.4.2 膜厚分布・抵抗値分布
    5.4.3 膜の密着力
    5.4.4 異物などによる膜の欠陥
  6 ロールtoロール塗工機の張力制御システム(平山大介)
   6.1 はじめに
   6.2 ロールtoロール塗工機とは
   6.3 ウェブ張力のコントロール
    6.3.1 張力の発生する仕組み
    6.3.2 実機における張力制御方式
   6.4 速度変動要因とダイレクトドライブモータシステムの適用例
    6.4.1 速度変動の要因
    6.4.2 ダイレクトドライブモータシステムの適用
   6.5 推力制御の導入とエアアクチュェータの適用例
    6.5.1 推力制御の導入
    6.5.2 エアアクチュェータの適用例
   6.6 おわりに

第6章 応用展開
  1 ナノインプリント技術の課題とデバイス応用(宮内昭浩)
   1.1 はじめに
   1.2 転写面積の大面積化―シートナノインプリント―
   1.3 装置と転写例
   1.4 デバイス応用
    1.4.1 細胞培養への応用
    1.4.2 光学散乱板への応用
   1.5 おわりに
  2 ロールtoロール方式による透明導電性フィルムの製造(杉山征人)
   2.1 はじめに
   2.2 透明導電性膜の成膜プロセス
   2.3 PVD法
   2.4 基板の材質、表面の影響
   2.5 基板温度
   2.6 ロールtoロール方式による透明導電性フィルムの製造(PVD法)
   2.7 ロールtoロール方式による透明導電性フィルムの製造(塗工法)
  3 ロールtoロールによる反射防止フィルムの製造方法(渡辺二郎
   3.1 はじめに
   3.2 反射防止膜の原理
   3.3 反射防止フィルムの材料設計
   3.4 反射防止フィルムの分類
   3.5 R2Rによる反射防止フィルムの製造方法と特性
    3.5.1 R2RによるWet-Coating法を用いたLRフィルムの製造方法と特性
    3.5.2 R2RによるDry-Coating法を用いたARフィルムの製造方法と特性
   3.6 今後の技術課題
  4 ロールtoロール印刷技術によるフレキシブルMEMS型カラーピクセルアレイ(年吉 洋、羅 丞曜)
   4.1 ロールtoロール印刷技術のMEMS応用
   4.2 光干渉型カラーピクセルの構造
   4.3 静電駆動による透過光の制御
   4.4 ロールtoロール印刷による製作方法
   4.5 ロールtoロール印刷によるカラーピクセル製作結果
  5 フレキシブル有機EL照明(奥山 優)
   5.1 はじめに
   5.2 有機ELの特徴
   5.3 フレキシブル有機EL
   5.4 基材
   5.5 封止構造
   5.6 おわりに
  6 プリンタブル、フレキシブル色素増感太陽電池の開発動向(宮坂 力)
   6.1 はじめに
   6.2 有機薄膜太陽電池と色素増感太陽電池
   6.3 色素増感太陽電池の構造と特長
   6.4 プラスチック色素増感太陽電池と印刷式製造
   6.5 ロールtoロール生産に向けて
   6.6 おわりに

電子ペーパーの最新技術動向と応用展開

技術者・研究者向け技術書籍の紹介

電子ペーパーの最新技術動向と応用展開

刊行にあたって
 印刷技術は15世紀のグーテンベルクによる活版印刷の発明以降、5世紀余りにわたり情報蓄積・流布の主要手段として君臨し文明発展に寄与し続けてきたが、昨今の電気通信技術とディスプレイ技術の進化は印刷技術の座を次第に脅かしつつある。技術の点で言えば、現状の電子表示・記憶技術と通信技術は印刷物よりもはるかに効率的な情報蓄積・流布手段としての潜在能力を既に備えているが、実態としてはまだ印刷物の君臨を許している。これは印刷物が500年をかけて人間にとって快適なメディアとしての磨きをかけた状態なのに対して、例えばディスプレイ技術が人間にとって印刷物並の快適感を備えるに至っていないことにその原因を求めることができよう。
 電子ペーパーの概念は、どちらかと言えば動画を主体とするテレビ用技術に主眼を置きがちだったディスプレイ技術に対し、印刷技術との置き換えという目標を改めて明示し、印刷物よりもより便利で快適な情報蓄積・流布手段としての電子書籍などの普及に向けてのキー技術を提供しようとするものである。2000年頃から開発が本格化した電子ペーパー技術は、2010年の現在に至って米国を中心とする電子書籍の急速な普及傾向を生み出し、いよいよ印刷物との主役交代が視野に入る段階に入りつつあると考えられる。しかし一方で、少なくとも電子ペーパーの技術面でのプレーヤー(機関および担当者)は数が限られており、本格普及の段階に入るには参入プレーヤーがもっと増えてくることが必要と思われる。逆に言えば、電子技術にとって印刷ビジネスのマーケットがほとんど手つかずに放置されている現状は、多くの新規参入者を充分に潤せるだけの巨大な可能性を秘めた状態と言うこともできる。

 本書は、この10年で大きな進化をとげ、さらに進化を継続中の電子ペーパー技術の全体像を示すことを狙い、技術の点では表示そのものを担う「前面板技術」と表示のための駆動手段を提供する「背面板技術」に章を分けて各種技術を示すとともに最新トピックスについても紹介する。本書の後半では、電子書籍をはじめとする電子ペーパーの応用分野について各分野における検討や普及の状況について述べるとともに、国内外の企業動向および市場動向について現状を紹介した。
 本書が、新規参入を検討中の方々にも、すでに技術開発やビジネスの推進を進行中の方々にも、電子ペーパー技術における道しるべとして少しでも役立つものとなれば幸いである。

(「はじめに」より)

2011年3月 東海大学 面谷 信

書籍の内容

第1章 総論―電子ペーパーの開発動向および将来展望(面谷 信)
  1 はじめに
  2 電子ペーパーの定義・分類
  3 電子ペーパーの狙い・課題・技術動向概観
  4 電子ペーパー技術の開発経緯
   4.1 液晶技術との競争期
    4.1.1 松下電器における電気泳動方式の発明
    4.1.2 米国ゼロックスでのツイストボール方式の発明
   4.2 電子ペーパー胎動期
    4.2.1 メディアラボでの動き
    4.2.2 マイクロカプセル化による電気泳動方式のブレークスルー
   4.3 製品化への動き
    4.3.1 電気泳動表示方式
    4.3.2 電子粉流体表示方式
    4.3.3 コレステリック液晶
   4.4 本格ビジネスの立ち上がり
    4.4.1 電子書籍
    4.4.2 値札
  5 電子ペーパーの過去20年と未来20年
  6 むすび
第2章 要素技術動向―前面板
  1 電気泳動方式の発明の経緯(太田勲夫)
   1.1 電気泳動とのかかわり
   1.2 拡大投射型TV開発の行き詰まり
   1.3 EPIDの着想
   1.4 具現化の苦労
   1.5 特許出願・学会発表・展示会出展
   1.6 EPIDの商品化
   1.7 マトリクス表示
   1.8 テーマ中止宣告
   1.9 EPIDの進展
   1.10 EPIDへの期待
  2 電気泳動方式の現状(前田秀一)
   2.1 はじめに
   2.2 マイクロカプセル電気泳動方式の応用分野
   2.3 マイクロカプセル電気泳動方式の表示原理とその材料
   2.4 電気泳動方式の課題とその取り組み
    2.4.1 視認性
    2.4.2 メモリー
    2.4.3 フレキシビリティ
    2.4.4 応答性
    2.4.5 カラー化
   2.5 その他の電気泳動方式
   2.6 おわりに
  3 電子ペーパー技術 QR-LPD(R)(増田善友)
   3.1 はじめに
   3.2 電子粉流体を用いた電子ペーパー
    3.2.1 電子粉流体
    3.2.2 パネル構造と表示のしくみ
    3.2.3 パネル特性
   3.3 カラー化への取り組み
   3.4 フレキシブル化への取り組み
    3.4.1 実用的なパネル設計
    3.4.2 実用的な製法
    3.4.3 試作したカラーフレキシブル電子ペーパー
   3.5 今後取り組むべき技術開発
    3.5.1 電極材料
    3.5.2 パネル試作
   3.6 最後に
  4 ツイストボール方式(前田秀一)
   4.1 はじめに
   4.2 原理と製造法
   4.3 製造法
    4.3.1 ツイストボールシートの製法
    4.3.2 回転粒子の製法
   4.4 粒子回転の理論
   4.5 円筒形の検討
   4.6 磁力回転の検討
   4.7 課題と展望
  5 エレクトロクロミック方式(小林範久)
   5.1 はじめに
   5.2 エレクトロクロミズム(EC)の特徴と応用展開
   5.3 エレクトロクロミック特性を示す材料
    5.3.1 金属酸化物系
    5.3.2 有機化合物系
    5.3.3 電解析出
   5.4 カラー電子ペーパーに向けた開発動向
   5.5 おわりに
  6 サーマルリライタブル方式(堀田吉彦)
   6.1 はじめに
   6.2 サーマルリライタブル記録の開発の歴史と経緯
   6.3 高分子/長鎖低分子分散型サーマルリライタブル記録
   6.4 ロイコ染料/長鎖顕色剤型サーマルリライタブル記録
   6.5 サーマルリライタブル記録の今後の動向
   6.6 課題と展望
第3章 要素技術動向―背面板
  1 駆動技術(回路・製法・フレキシブル化)(小松友子)
   1.1 電子ペーパー駆動の基本原理
   1.2 駆動技術の分類
    1.2.1 パッシブマトリックス駆動方式
    1.2.2 アクティブマトリックス駆動方式
   1.3 アクティブマトリックス製造方法
   1.4 モジュール化技術
   1.5 駆動回路のフレキシブル化
  2 高速書き換え技術(小松友子)
   2.1 電気泳動表示装置の駆動
    2.1.1 画素回路
    2.1.2 複数フレームによる書き込み
    2.1.3 フィードスルー
    2.1.4 残像処理と高速な書き換え
    2.1.5 EPD専用コントローラーIC
   2.2 エレクトロウェッティング方式の駆動
   2.3 粉体移動方式の駆動
   2.4 コレステリック液晶の駆動
  3 有機TFT(前田博己)
   3.1 はじめに
   3.2 有機TFTの印刷形成
   3.3 有機TFTの信頼性
   3.4 プラスチック基材の寸法制御
   3.5 印刷有機TFTによる電子ペーパーの駆動
   3.6 おわりに
第4章 最新トピックス
  1 ハイブリッドポリマーの相乗機能を利用したカラー化(樋口昌芳)
   1.1 電子ペーパーのカラー化
   1.2 有機/金属ハイブリッドポリマー
   1.3 エレクトロクロミック特性
   1.4 固体デバイス
   1.5 おわりに
  2 マイクロコンタクト印刷法による有機TFT回路作製(八瀬清志)
   2.1 はじめに
   2.2 マイクロコンタクト印刷法
   2.3 今後の発展と課題
  3 ナノ粒子インクを用いたエレクトロクロミック表示(川本 徹)
   3.1 エレクトロクロミック素子(ECD)
   3.2 錯体ECナノ粒子インクの合成
   3.3 錯体インクを利用したECD
    3.3.1 ECDの基本構造
    3.3.2 柄切替ディスプレイ
    3.3.3 青―白色可変画素
第5章 応用
  1 新聞コンテンツの電子ペーパーの応用例(小野寺尚希)
   1.1 はじめに
   1.2 iRex Technologies(アイレックス テクノロジー)社の電子ペーパー端末「iLiad(イリアド)」を使った実証実験
   1.3 ブリヂストン社の電子ペーパーを使ったサイネージ実証実験例
   1.4 商用の電子ペーパー端末向けの新聞コンテンツ配信の例
   1.5 大河原町1市2町保健医療組合 ユビキタスタウン構想推進事業での電子ペーパー端末・サイネージ採用事例
  2 電子雑誌の現状と今後の展開(伊藤正裕
   2.1 書籍電子化との違い
   2.2 電子音楽と電子雑誌
   2.3 日本での「iPad
   2.4 「iPad」の使われ方
   2.5 多機能端末の優位性
   2.6 ビジネスとしての電子雑誌の現状と将来
   2.7 成功する次世代メディア
   2.8 まとめ
  3 汎用リーダー・ライター(宝迫尚行)
  4 電子ペーパーの利用―電子値札(ESL)―(水川繁光)
   4.1 概要
   4.2 電子値札(DM-ESL)システム
    4.2.1 システム構成
    4.2.2 ネットワークの論理構造
    4.2.3 システムの動作
   4.3 システムの構成要素
    4.3.1 ESLサーバ
    4.3.2 ベースステーション
    4.3.3 トランシーバ
    4.3.4 フロントエンドLAN
    4.3.5 バックボーンLAN
    4.3.6 インフラストラクチャ
    4.3.7 セルとサブセル
    4.3.8 DM-ESL
    4.3.9 表示更新データのチャート
   4.4 変調方式
    4.4.1 通信速度と変調方式
    4.4.2 IR無線インタフェース
   4.5 導入効果
   4.6 電子棚札の変遷
   4.7 考察―電子ペーパーを利用したDM-ESLなどの表示システムの展望―
  5 電子書籍,サイネージなどその他の応用(檀上英利)
   5.1 はじめに
   5.2 電子書籍への応用
   5.3 デジタルサイネージへの応用
   5.4 携帯電話分野での応用
   5.5 時計分野での応用
   5.6 その他の応用
第6章 国内外企業・市場動向
  1 海外動向(鈴木 明)
   1.1 最近3年間のSID動向
   1.2 米国動向
    1.2.1 E-Ink
    1.2.2 Kent Group
    1.2.3 その他
   1.3 欧州(英国含)動向
    1.3.1 Liquavista(蘭)
    1.3.2 iRex(蘭)
    1.3.3 Polymer Vision(蘭)
    1.3.4 Plastic Logic(英)
   1.4 アジア
    1.4.1 Samsung(韓)
    1.4.2 LG Display(韓)
    1.4.3 PVI→EIH(台)
    1.4.4 その他
  2 国内動向(シーエムシー出版編集部)
   2.1 概要
   2.2 市場動向
   2.3 電子ペーパーメーカーの動向
    2.3.1 粒子移動型電子ペーパー
    2.3.2 コレステリック液晶電子ペーパー
    2.3.3 その他メーカーの動向
   2.4 電子ペーパーの応用(アプリケーション)市場の動向
    2.4.1 電子書籍
    2.4.2 電子ペーパーサイネージ市場
    2.4.3 その他の応用市場

スマートハウスの発電・蓄電・給電技術の最前線

技術者・研究者向け技術書籍の紹介

スマートハウスの発電・蓄電・給電技術の最前線

監 修 田路和幸
発刊日 2011年3月 ISBN978-4-7813-0316-1
体 裁 B5判,277頁


刊行にあたって
 スマートハウススマートグリッドテクノロジーは、世界的規模の市場拡大が確実視されているとともに、既存技術の応用や組み合わせによって様々な業種の企業の参入が見込まれている。しかし、そのテクノロジーの実用化のための技術開発はようやく始まったばかりであり、多くの参入に関心を持つ企業が存在するものの、現時点では具体的な開発目標を見い出せないのが実情である。

 このような背景から、本書を通じて日本のスマートグリッドと関連してスマートハウステクノロジーを先導する大学・研究機関・企業の有する技術シーズを把握するとともに、本書を通じて実用化に向けての方向性を見出して頂ければと考える。

(「はじめに」より抜粋)

2011年3月 田路和幸


書籍の内容

【第1編 概論】

スマートハウスの概要と展望(田路和幸)


【第2編 スマートハウスの現状と方向性】

第1章 スマートハウスにおける政策動向(畠中祥子)
  1 スマートグリッドスマートハウスを巡る政府動向
   1.1 低炭素社会実現に向けて
   1.2 グリーン・イノベーション戦略の中の位置付け
  2 スマートハウスの検討
   2.1 スマートハウスの必要性
   2.2 「スマートハウスのビジネスモデルに係る調査研究」での検討
   2.3 「スマートハウス実証プロジェクト」での検討
第2章 日本型スマートハウスの特徴と課題(吉田博之)
  1 はじめに
  2 「スマートハウス実証プロジェクト」について
   2.1 プロジェクトの背景
   2.2 プロジェクトの目的
   2.3 プロジェクトの目標
   2.4 実施項目
   2.5 採択結果と実施体制
   2.6 各社の開発概要
  3 日本型スマートハウスの特徴と課題
   3.1 過去におけるスマートハウスへの取り組み
   3.2 日本型スマートハウスの特徴と課題
第3章 スマートグリッドスマートハウスの業界動向(狩集浩志)
  1 蓄電池技術を活用
  2 日本は太陽電池が末端に
  3 普及が見込める車載電池を活用
  4 パソコン向け電池セルを利用

第4章 再生可能エネルギーを含む電力平準化技術(堀 仁孝)
  1 直流給電システムについて
  2 直流給電システムでの電力平準化について
  3 送電側での電力平準化と、需要側での電力平準化
  4 再生可能エネルギーの発電電力平準化について
第5章 スマートグリッド連携ホームエネルギーマネジメントシステムの展開(天野博介)
  1 展開の背景
   1.1 環境革新企業の実現
   1.2 スマートグリッド
   1.3 スマートECOシティ
  2 ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)の日本での展開概要
  3 ヨーロッパでの展開概要
   3.1 ミッシングリンク
   3.2 スマートグリッド連携HEMS展開
  4 中国での展開概要
  5 今後の展開
   5.1 ビルのマネジメントシステム
   5.2 エリアのマネジメントシステム
   5.3 分散電源システム
   5.4 ECO-CITYへのトータルソリューション展開
   5.5 グリーンライフスタイルの実現
第6章 ICTを活用したスマートハウスの背景と目的、その進展(池田一昭)
  1 スマートハウスを通じた家庭エネルギー対策の必要性
  2 スマートグリッドがもたらす変化
  3 スマートハウスの社会システムICT基盤の共通化の必要性
  4 スマートハウス社会システムICT基盤の共通化に向けての活動
  5 スマートハウスICT基盤の実現のポイント
  6 スマートハウス実現に向けてIBMが進めていること
第7章 自然を生かしたスマートハウス(木村文雄)
  1 はじめに
  2 これからの日本の住まいはどうあるべきか
  3 サステナブルデザインハウス(SDH)の試み
   3.1 プランの特徴
    3.1.1 平面計画
    3.1.2 パッシブデザイン
    3.1.3  縁側空間〜外と内の緩衝空間〜
    3.1.4 通気天窓〜自然の風力で換気する〜
   3.2 季節に合わせたパッシブな生活〜自ら心地良い場所を探す〜
   3.3 炎のある生活
   3.4 近隣と仲良く暮らす工夫
  4 スマートハウス化の意義
  5 未来の日本の住まい


【第3編 スマートハウスの導入に伴う太陽光/リチウムイオン電力貯蔵システム】

第1章 スマートハウスの取り組み(HEMS、太陽光発電、他)(太田真人)
  1 スマートハウス取り組みの背景
  2 セキスイハイムスマートハウスの特徴
   2.1 太陽光発電+HEMS
   2.2 シンプルで低価格
   2.3 高い拡張性
   2.4 大きな社会メリット
   2.5 HEMSの機能
  3 日本における住宅用太陽光発電の概要
  4 太陽光発電システムの活用
  5 光熱費ゼロ住宅について
  6 住宅用PVシステムの今後の取り組み
第2章 太陽電池の基礎知識(沓掛健太朗、宇佐美徳隆)
  1 太陽電池の動作原理
   1.1 キャリアの励起
   1.2 キャリアの輸送
   1.3 キャリアの分離
  2 太陽電池のエネルギー変換効率
   2.1 エネルギー変換効率および各パラメータの定義
   2.2 最大エネルギー変換効率の理論限界
   2.3 エネルギー変換の損失要因
   2.4 太陽電池のエネルギー変換効率の意味
  3 まとめ
第3章 太陽電池の耐久性向上と効率化のための対策大関 崇)
  1 はじめに
  2 太陽光発電システム概要
  3 太陽光発電システムの汚れの模擬試験方法
  4 太陽光発電システムの汚れの影響に関する研究事例
   4.1 太陽光発電システムの汚れの種類
   4.2 太陽光発電システムの汚れの実測・評価事例
   4.3 太陽光発電システムの汚れによる出力低下のモデリング
  5 太陽光発電システムの汚れ対策技術
   5.1 太陽電池モジュール構造による対策技術
   5.2 太陽電池モジュール表面加工
   5.3 太陽電池モジュール直接洗浄技術
   5.4 太陽光発電システムの施工での工夫
  6 まとめ
第4章 太陽光発電システム用リチウムイオン電力貯蔵
  1 電力貯蔵用リチウムイオン電池技術(堀 仁孝)
   1.1 モバイル用リチウムイオン電池
   1.2 自動車用リチウムイオン電池
   1.3 電池セルの構造
   1.4 電池パック内の保護回路について
   1.5 電池情報のモニタリングについて
   1.6 クラウド世代のリチウムイオン電池の形態
   1.7 クラウド的利用によるメンテナンス上の利点
  2 分散型蓄電システムの特徴と蓄電メンテナンス技術(佐々木 浩)
   2.1 はじめに
   2.2 分散型蓄電システム技術の概要
   2.3 蓄電メンテナンス技術の概要
   2.4 システムの特長
   2.5 実験システムの事例紹介
   2.6 むすび


【第4編 スマートハウスにおける新規電力供給システムと省エネ技術】

第1章 東北大学の取り組み 
 1 DC給電がもたらす生活空間の可能性(小野田泰明
   1.1 DCライフスペースプロジェクト
   1.2 家電の変遷から見るライフスタイルと住空間
    1.2.1 日本における家電の変遷
    1.2.2 電源供給のスタイルと生活の変化
   1.3 ACからDCへ
    1.3.1 DCライフスペースのコンセプト
    1.3.2 デザインチームの構成
    1.3.3 DCライフスペースのデザイン
    1.3.4 各部のデザイン
    1.3.5 課題
   1.4 まとめ
  2 電気化学エネルギー変換デバイスの最前線  
   2.1 リチウムイオン電池燃料電池(伊藤 隆)
    2.1.1 はじめに
    2.1.2 東北大学におけるリチウムイオン2次電池の研究開発
    2.1.3 東北大学における固体高分子形燃料電池の研究開発
   2.2 LED(藤井克司、八百隆文)
    2.2.1 LEDのスマートハウスへの応用
    2.2.2 LEDの構造
    2.2.3 LEDの照明としての利用
    2.2.4 LEDの効率向上
    2.2.5 窒化物半導体LEDの高効率化
第2章 スマートハウスにおける配線システムとLED導入
  1 住宅用AC/DCハイブリッド配線システム(小新博昭)
   1.1 まえがき
   1.2 DC配線の有用性
   1.3 システム構成
   1.4 導入効果
   1.5 開発状況
   1.6 今後の展開
   1.7 あとがき
  2 LED照明の現状と将来展望(松下幸詞)
   2.1 まえがき
   2.2 LEDの特長とLED照明の現状
   2.3 今後の展開
   2.4 関連法規・規格
   2.5 住宅分野でのLED照明の導入事例
   2.6 あとがき
第3章 オフィスにおける取り組み(飯沼朋也)
  1 「エコライブオフィス」における直流蓄電と給電技術
   1.1 コクヨにおけるエコの取り組み
   1.2 エコライブオフィスにおけるCO2削減の施策
   1.3 オフィスにおける発電・蓄電・給電システム(直流給電)
    1.3.1 一次実験:ポータブルバッテリーシステム(持ち運び可能な電池モジュール)
    1.3.2 二次実験:直結システム(建物電力系統とは独立した回路)
   1.4 直流給電の現実的な課題
   1.5 今後の展開
第4章 ワイヤレス給電技術
  1 直流送電とワイヤレス送電を組み合わせた電力供給技術(原川健一)
   1.1 はじめに
   1.2 目的の再確認
   1.3 電力・通信統合層
    1.3.1 直流送電
    1.3.2 通信機能
   1.4 ワイヤレス電力伝送
    1.4.1 直列共振電力伝送方式
    1.4.2 直列共振方式の特性、問題点
    1.4.3 実験結果
    1.4.4 通信機能
    1.4.5 安全性
   1.5 統合イメージ
   1.6 まとめ
  2 電磁誘導方式ワイヤレス給電システム(高橋俊輔)
   2.1 電磁誘導方式の開発動向
   2.2 電磁誘導方式の原理
   2.3 電磁誘導方式の開発
   2.4 太陽光発電電力利用型非接触充電ステーション
   2.5 標準化に向けた取り組み
第5章 微小電力回収システム(松崎辰夫)
  1 身近なところにある微小電力に注目
  2 微小電力回収の動機
  3 微小電力としての廃棄エネルギー回収源の例
  4 微小電力回収システム構成
  5 回収した電力の活用方法
  6 微小電力を貯める(リム発電充電BOX)
  7 貯めた電力を確認する(リム発電充電量モニタ)
  8 リム発電充電BOXの成果
  9 貯めた電力を集める(エコバケット
  10 充電量の見える化
  11 充電量の見える化管理内容
  12 エコバケットの成果
  13 定格・スペック
  14 まとめ
第6章 空調等自動コントロールシステム(内海康雄、木村竜士)
  1 はじめに
  2 次世代のBEMSとしてのBACFlex
   2.1 BACFlexによるBEMS機能強化
   2.2 BACFlexの特徴
  3 BACFlexの構成と動作
   3.1 BACFlexのシステム構成
   3.2 シナリオに沿ったシステム全体の動作
  4 導入事例(仙台高専地域イノベーションセンター)
   4.1 実測の概要
   4.2 結果および考察
  5 アンケートによる制御状況の把握と改善方法の検討
   5.1 アンケート実施のねらい
   5.2 実施期間
   5.3 アンケート方法
   5.4 結果
   5.5 まとめ
  6 おわりに


【第5編 スマートハウスと次世代自動車】

第1章 蓄電機能付き住宅の開発(古川柳蔵)
  1 はじめに
  2 何のためのスマートか
  3 分散して存在する小さな自然エネルギーを活用する
  4 微弱エネルギーをためること
  5 意識が行動につながらない
  6 省エネ行動促進の可能性
  7 交流電力から直流電力へ
  8 普及の可能性
  9 普及の阻害要因
第2章 電気自動車の開発と展望(堀江英明)
  1 はじめに
  2 高性能環境車両用電池システム
  3 電池に求められる特性
   3.1 性能要件の概論:出力と容量
   3.2 電池の出力特性とエネルギー効率
   3.3 熱的課題と設計
    3.3.1 発熱の考え方
    3.3.2 出力Pが決まっているときの発熱量計算
    3.3.3 電池の温度上昇
   3.4 システムとしての組電池制御
  4 高性能環境車両におけるエネルギー効率の考え方
   4.1 各種車両での効率比較

自動車用プラスチック新材料の開発と展望

技術者・研究者向け技術書籍の紹介

自動車用プラスチック新材料の開発と展望

発刊日 2011年3月 ISBN978-4-7813-0315-4
体 裁 B5判,224頁


刊行にあたって
 燃費の低減、電気自動車の普及のため、自動車軽量化は必至の命題といえる。その潮流は、80年代石油危機の際のバンパーから始まり、90年代にはアメリカで外板でのプラスチック化が検討され、そして2000年代初頭から現在に至るCO2排出量削減を目的としたヨーロッパ発のブームがある。

 これまでの限定的な部品での検討に対して、現在では自動車に使われるあらゆる部品がプラスチック化の対象になっている。そのため、剛性や耐熱性を要求される部品、など求められる特性に応じて、適材適所にプラスチック材料が選ばれ、それぞれに開発が進んでいるということができる。また、プラスチック化の永遠のテーマでもあるコストの低減やデザインの革新を可能にするモジュール化が採り入れられている点も現在の自動車部品プラスチック化の重要なファクターだろう。

 これまで、自動車軽量化・プラスチック化をテーマにした書籍としては、材料を切り口にした書籍はみられた。しかし、先述のように自動車は部品ごとに求められる性能が大きく違い、また、それぞれが独自の方向性をもって進化を続けているといえる。そこで本書では、自動車の部品ごとに構成したことで、部品ごとの要求特性や業界動向を把握しやすくなっている。また、限りある書籍のページの中に、取り上げることのできなかった材料や話題を、業界動向としてできるかぎりとりあげた。本書が、自動車新材料の開発、そして新時代の自動車の開発の役に立てば幸甚である。

書籍の内容

第1章 自動車樹脂部品の動向と将来展望(倉内紀雄)
  1 自動車樹脂化の流れ
  2 次世代自動車の動向
  3 次世代自動車と高分子材料
  4 新素材・新技術の例
   4.1 次世代自動車を支える軽元素
   4.2 重要なナノテクノロジーの例
  5 まとめ
第2章 ボディー
  1 外装・外板
   1.1 低密度クラスA-SMC(箱谷昌宏)
    1.1.1 はじめに
    1.1.2 低密度クラスA-SMCの開発動向
    1.1.3 低密度クラスA-SMCによる軽量化効果
    1.1.4 低密度クラスA-SMCの適用例
    1.1.5 おわりに
   1.2 ナノコンポジット材料(岡本正巳)
    1.2.1 はじめに
    1.2.2 ナノコンポジットの種類とナノフィラー
    1.2.3 用途分野
    1.2.4 新規な3次元ナノ多孔体
    1.2.5 展望
   1.3 炭素繊維複合材料の自動車ボディへの適用(北野彰彦)
    1.3.1 はじめに
    1.3.2 海外の適用状況
    1.3.3 国内の適用状況
    1.3.4 まとめと今後の展望
   1.4 バンパー材としてのPPの技術開発(藤田祐二、新井雅之)
    1.4.1 はじめに
    1.4.2 PPの特徴
    1.4.3 PPバンパーの歴史
    1.4.4 PPバンパー材開発のための要素技術
    1.4.5 おわりに
   1.5 フェンダー用樹脂材料の開発―Noryl GTX樹脂―(菅原 誠)
    1.5.1 はじめに
    1.5.2 フェンダーの樹脂化とメリット
    1.5.3 フェンダー用樹脂材料と要求性能
    1.5.4 Noryl GTX 樹脂と特徴
    1.5.5 フェンダー樹脂化の課題と対応
    1.5.6 樹脂フェンダーの今後
    1.5.7 おわりに
   1.6 ポリメタクリルイミド(PMI)硬質発泡材 ロハセルの自動車への展開(伊東禎治)
    1.6.1 はじめに
    1.6.2 ロハセルとは
    1.6.3 ロハセルの特長
    1.6.4 サンドイッチ構造におけるロハセル
    1.6.5 ロハセルの加工方法
    1.6.6 ロハセルの性能vsコスト
    1.6.7 ロハセルの自動車向け用途例
    1.6.8 おわりに
  2 窓(帆高寿昌)
   2.1 ポリカーボネート樹脂製の自動車窓
    2.1.1 樹脂グレージングを支える新素材技術
    2.1.2 樹脂グレージングを支える新加工技術
    2.1.3 実用化技術例(J-X3αテクノロジーによる窓とボディの一体化成形技術)
    2.1.4 今後の展望
  3 内装
   3.1 インストルメントパネル表皮用パウダースラッシュ材料(柳井康一)
    3.1.1 はじめに
    3.1.2 インストルメントパネルの基本構造
    3.1.3 インストルメントパネル表皮の成形方法
    3.1.4 パウダースラッシュ材料
    3.1.5 おわりに
   3.2 液状化木材フェノール樹脂成形品(常岡和記、寺澤 勇、白石信夫)
    3.2.1 液状化木材フェノール樹脂の概要
    3.2.2 成形材料の製造工程
    3.2.3 自動車用カップ型灰皿の要求性能
    3.2.4 成形材料の性能
    3.2.5 今後の課題
    3.2.6 まとめ
   3.3 植物由来ポリウレタン(松坂康弘)
    3.3.1 はじめに
    3.3.2 植物素材の選定
    3.3.3 植物由来ポリウレタン
    3.3.4 まとめ
   3.4 バイオマスフェノールコンパウンド(太田 実、小山剛司)
    3.4.1 はじめに
    3.4.2 バイオマスフェノール樹脂
    3.4.3 バイオマスフェノールコンパウンド
    3.4.4 今後の展開
  4 構造部品(井上 隆)
   4.1 耐衝撃性・耐熱老化性PLAアロイ―
    4.1.1 はじめに
    4.1.2 PLAのゴム補強
    4.1.3 結晶性プラスチックとのアロイ化による靭性向上
    4.1.4 耐衝撃性・耐熱老化性PLAアロイ
    4.1.5 靭性発現機構
  5 アンダーボデーシールド(堺 大)
   5.1 GMTコンポジット材料の展開
    5.1.1 はじめに
    5.1.2 GMTの特徴と用途事例
    5.1.3 GMTex?の特徴と用途事例
    5.1.4 SymaLITE?とその用途事例
    5.1.5 アンダーボデーシールド材としてのGMT
    5.1.6 一般乗用系車種のアンダーボデーシールドに求められるニーズ
    5.1.7 これからの自動車設計において
第3章 燃料システム
  1 燃料タンク
   1.1 HDPE樹脂(金澤 聡)
    1.1.1 ポリエチレン燃料タンク
    1.1.2 ポリエチレン燃料タンクのメリット
    1.1.3 ポリエチレン燃料タンクの多層化
    1.1.4 多層ポリエチレン燃料タンクの層構成と使用材料
    1.1.5 多層ポリエチレン燃料タンク用材料
    1.1.6 溶着部品用材料
    1.1.7 アドブルー(尿素水)タンク用材料
    1.1.8 今後の展望
   1.2 EVOH系燃料タンクとバイオ燃料への対応(林 七歩才)
    1.2.1 はじめに
    1.2.2 EVOH樹脂
    1.2.3 EVOH系燃料タンク
    1.2.4 おわりに
  2 燃料系部品(藤田容史)
   2.1 POM樹脂(フューエルポンプモジュール)
    2.1.1 はじめに
    2.1.2 燃料系部品の校正
    2.1.3 燃料系部品における樹脂材料
    2.1.4 フューエルポンプモジュール
    2.1.5 バイオ燃料への対応
    2.1.6 おわりに
第4章 機構部品
  1 エンジン系部品(吉村信宏)
   1.1 ポリアミド樹脂
    1.1.1 はじめに
    1.1.2 自動車部品に採用されている樹脂とポリアミド樹脂の位置づけ
    1.1.3 具体的な開発例
    1.1.4 おわりに
  2 駆動系部品へのPEEK樹脂
   2.1 駆動系部品(澤田克己)
    2.1.1 はじめに
    2.1.2 PEEKの歴史、需給動向
    2.1.3 ベスタキープの商品群と主な特長
    2.1.4 各産業分野におけるベスタキープ(自動車分野以外)
    2.1.5 自動車分野
    2.1.6 各種加工法におけるベスタキープ
    2.1.7 べスタキープの技術開発動向について
    2.1.8 おわりに
   2.2 炭素繊維複合材料のプロペラシャフトへの適用(北野彰彦)
    2.2.1 国内の適用状況
    2.2.2 CFRP製プロペラシャフトの特長
第5章 電装部品・ランプ
  1 電装部品(出口浩則、岡田明彦)
   1.1  SPS樹脂のHV車への応用
    1.1.1 はじめに
    1.1.2 SPSとは
    1.1.3 SPSの特徴
    1.1.4 HV車分野への応用展開
    1.1.5 おわりに
   1.2 ジアリルフタレート樹脂成形材料(太田 実、小山剛司)
    1.2.1 ジアリルフタレート樹脂とは
    1.2.2 プレポリマーの製造と特徴
    1.2.3 ジアリルフタレート樹脂成形材料(ダポール)の特徴と用途
  2 ランプ
   2.1 ヘッドランプレンズ(PC樹脂)(広野正樹)
    2.1.1 ポリカーボネート樹脂(PC)製ヘッドランプの特徴とPC化のメリット
    2.1.2 ヘッドランプに要求される性能
    2.1.3 ハードコート技術と塗膜性能
    2.1.4 ヘッドランプグレード「ユーピロンMLシリーズ」
    2.1.5 ヘッドランプ周辺技術
    2.1.6 今後の材料系の課題
   2.2 COC樹脂(芹澤 肇)
    2.2.1 はじめに
    2.2.2 COCの特長
    2.2.3 期待される用途
    2.2.4 まとめ
第6章 タイヤ―省燃費タイヤトレッド用変性S-SBRの開発動向―(加藤清雄、松田孝昭)
  1 まえがき
  2 環境との調和と省燃費性
  3 タイヤの転がり抵抗の低減
  4 転がり抵抗とブレーキ性能の制御と評価技術
  5 S-SBRのポリマーデザイン
  6 今後の材料開発の動向
第7章 自動車用プラスチックの開発状況―主要樹脂別使用実態と開発の方向・話題―
  1 PE樹脂
  2 PP樹脂
  3 ABS樹脂
  4 PMMA樹脂
  5 PC樹脂
  6 PBT樹脂
  7 ポリアミド樹脂
  8 ポリアセタール(POM)樹脂
  9 PPS樹脂
  10 LCP樹脂
  11 PEEK樹脂
  12 PPE樹脂
  13 バイオマスプラスチック
  14 ポリアミド(バイオポリアミド)
  15 次世代自動車(HEV、EV)向けプラスチック