自己組織化ナノマテリアル

技術者・研究者向けの書籍紹介

自己組織化ナノマテリアル


発刊日 2007年2月 ISBN978-4-902410-11-2
体 裁 B5判・392頁


刊行のねらい
 ナノマテリアル研究における自己組織化技術が重要視されています。原子・分子を一個一個組み上げ、組織や配列を精密に制御するボトムアップ方式のナノテクノロジーにおいては、生命体に見られるような「自己組織化」を上手く活用することが重要だとされています。そもそも「自己組織化」という言葉や概念は、自然科学や社会科学の学術用語としてのみならず、社会一般でも広く用いられているものです。それ故にディシプリンを越えた厳密な定義は難しいように思われますが、自然科学においてその概念の基になっているのはプリゴジンが提唱した散逸構造です。プリゴジンは、物質やエネルギーの絶え間ない出入りがある非平衡開放系で、熱力学的に安定な平衡構造が不安定化することによって自発的に形成された秩序構造を散逸構造命名し、平衡条件の近傍で形成される自己集合体とは区別したのです。

 一方、我が国のナノテクノロジー研究においては、「自己組織化」と「自己集合」が曖昧に使われているように思われます。例えば、金の表面に有機硫黄化合物が化学吸着して形成されるSelf-Assembled Monolayer (SAM)は「自己組織化単分子膜」と訳されています。分子ナノテクノロジーにおける「自己組織化」とは、概ね、分子や原子が自然に集まって高度な分子組織体を作り上げることと解釈されているようです。水素結合やパイ電子相互作用のような弱い分子間力を巧みに利用することで、テーラーメードな分子集合体が形成されますが、プリゴジンの定義に基づけば、これら分子集合体の多くは平衡近傍の条件下で形成される構造であるので、平衡形の結晶と同様に自己集合にカテゴライズされるべきもののようにも思われます。

 しかし、自己集合と自己組織化の区別、さらにはナノテクノロジーにおける自己組織化の意義や位置づけはいまだに明確であるとは言いがたく、混乱した状況にあります。そもそも、プリゴジン的(もしくは古典的)解釈によって問題は解決するのでしょうか。実は、この混乱は、我が国に限ったことではないように思われます。2003年の京都賞を受賞したG. Whitesides教授はself-assemblyを静的な過程、dynamic self-assemblyを動的な過程ととらえ、assemblyという概念でおよそすべての秩序形成が整理できると考えています。一方、超分子化学の提唱者であるJean-Marie Lehn教授は”Toward complex matter: Supramolecular chemistry and self-organization”と題した総説(Proc.Nat.Acad.Sci., 99,4763(2002))において、分子ナノテクノロジーにおける「自己集合」と「自己組織化」の違いに言及し、分子や超分子が分子情報によって機能を有する組織になることが「自己組織化」であり、DNAによる情報から超分子構造が形成される生物こそが「自己組織化」のお手本であるとしています。その上で、実際に自然界で起こっている非平衡プロセスや散逸構造を取り込んでいくことが、超分子化学の最終的なゴールであると提唱しているのです。

 生物の構造形成は、きわめて階層的であり、また、スケールが大きくなるにつれて新たな機能が発現され、さらにまたその階層構造も複雑になっていきます。鞭毛モーターのように、多種多様な蛋白質分子が弱い分子間相互作用の集積によって自発的に組織化してできた複雑な超分子構造体の形成は、個々の蛋白質の構造があらかじめDNAによってプログラムされているから可能となるのかもしれません。しかし一方で、生物は多様性と個性をも併せ持っており、遺伝情報だけでは決定されない構造もあります。例えば、シマウマや熱帯魚の模様などにみられるチューリングパターンと呼ばれる構造は、遺伝子のみによって完全に記述されるものではないのです。

 非常によくできた「ナノデバイス」(あるいはナノマシン)として生物を捉え、それが設計され構築されるときに、自己集合や自己組織化現象がどのような側面で出現するのかを見ることで、ナノテクノロジーにおける自己組織化、自己集合の役割が見えてくるように思われます。それゆえ本書では、自己組織化を「自己集合」と「散逸構造」を統合した概念として幅広く捉えることにしました。なぜならば、生物は、これら2つの秩序形成の原理をもとに、物質を巧みに使ってボトムアップの自己組織化を行っているからです。ここに革新的な自己組織化材料の設計のためのヒントが隠されています。

 本書は全8章と座談会で構成されています。第1章(総論)は、第2章以下を読み進むためのガイドの役割を担っており、自己集合と散逸構造、プログラム自己組織化の概念、自己組織化研究の方向性および産業展開について概観します。我が国におけるナノマテリアル研究が俯瞰するのが第2〜7章です。ナノマテリアルを次元で整理して章立てとし、各章のなかに有機、無機ならびにバイオマテリアルが偏ることなく記述されるような構成としています。第8章はボトムアップ技術とトップダウン技術の融合領域における自己組織化の役割に焦点を当てています。第2〜8章各節の基本構成は:歴史と現状、自己組織化の意義と位置づけ、自己組織化の役割、将来展望と自己組織化、となっており、最後に編集委員による座談会でこの本の総括としました。

 本書には、ナノマテリアル研究に携わる先導的研究者が考える、ナノマテリアル研究における自己組織化と自己集合の意味と将来展望が述べられています。自己組織化は、経済産業省の技術戦略マップにおいても、重要な課題として位置づけられています。第一線の研究現場では自己組織化がどのように位置づけられているか、その研究は今後どのような方向へと向かうのか、さらにそれらはどのような産業を生み出す可能性を秘めているか ー本書はこれらの疑問に答えるとともに、自己組織化ナノマテリアルと自己組織化ナノテクノロジーの新しい潮流形成を促すものになることを期待しています。


序文ー自己組織化ナノマテリアルへの期待             茅 幸二

本書のねらい                          下村政嗣、山口智

第1章 総 論

1 自己組織化と自己集合の現代的解釈              山口智
 1.1 自己組織化とは何か?
   1.1.1 定義と用語
   1.1.2 システム理論からみた自己組織化
 1.2 2つの自己組織化:自己集合と散逸構造
    1.2.1 自己組織化する物質と生命
   1.2.2 自己集合:平衡近傍での自己組織化
   1.2.3 散逸構造形成(狭義の自己組織化):非平衡非線形系での自己組織化
   1.2.4 自己集合体と散逸構造の比較
 1.3 統合的な自己組織化
   1.3.1 補完的にアシストしあう自己集合と散逸構造形成
   1.3.2 階層構造の自己組織化
 1.4 今後の課題
   1.4.1 プログラムと階層性
   1.4.2 相対座標
 1.5 おわりに
2 自己組織化材料研究の方向性               高野潤一郎
 2.1 キーワードからみた自己組織化材料
 2.2 自己組織化のアルゴリズムとマテリアル設計
 2.3 自己組織化のリスクと可能性
3 プログラムされた自己組織化            小嶋 薫、、川合知二
 3.1 プログラム自己組織化の概念
 3.2 シーケンシャル自己組織化とは
 3.3 トップダウンボトムアップ融合自己組織化とは
 3.4 おわりに
4 自己組織化の産業展開                    亀井信一
 4.1 産業的な視点から見た自己組織化への期待
   4.1.1 トゥルーナノテクノロジーの視点
   4.1.2 究極の省エネルギーという視点
 4.2 産業界における自己組織化研究
   4.2.1 データストレージのブレークスルーをめざして
   4.2.2 革新的な繊維・樹脂材料をめざして
   4.2.3 高機能のメソポーラス材料をめざして
 4.3 自己組織化を産業技術として確立するために
 
第2章 0次元ナノマテリアル(点)

1 異形高分子微粒子                     大久保政芳
 1.1 はじめに
 1.2 凸部を有する粒子
 1.3 凹部を有する粒子
2 コアシェル型高分子ナノ粒子             赤木隆美、明石 満
 2.1 コアシェル型高分子ナノ粒子研究の歴史と現状
 2.2 コアーコロナ型高分子ナノ粒子研究における自己組織化の意義と役割
 2.3 コアーコロナ型高分子ナノ粒子研究の将来展望と自己組織化
3 非平衡プロセスによる高分子ナノ微粒子の作製      藪 浩、下村政嗣
 3.1 非平衡プロセスによる高分子ナノ微粒子研究の歴史と現状
 3.2 非平衡プロセスによる高分子ナノ微粒子研究における自己組織化の意義と位置づけ
 3.3 非平衡プロセスによる高分子ナノ微粒子研究の将来展望と自己組織化
4 低温溶融性金属ナノ粒子                   長澤 浩
 4.1 金属ナノ粒子研究の歴史と現状
 4.2 金属ナノ粒子研究における自己組織化の意義と位置づけ
 4.3 金属ナノ粒子研究の将来性と自己組織化
5 量子ドット                             小口信行
 5.1 量子ドット研究の歴史と現状
 5.2 量子ドット研究における自己組織化の意義と役割
 5.3 量子ドット研究の将来展望と自己組織化
6 ナノ粒子の構造形成               山口由岐夫、藤田昌大
 6.1 研究の歴史と現状
 6.2 研究における自己組織化の意義と役割
 6.3 研究の将来展望と自己組織化

第3章 1次元ナノマテリアル(線)

1 分子トランジスタ                 石田敬雄、内藤泰久、水谷 亘
 1.1 分子トランジスタ研究の歴史と現状
 1.2 分子トランジスタにおける自己組織化の意義と役割
 1.3 分子トランジスタ研究の将来と自己組織化の位置づけ
2 ロタキサン・カテナン                    原田 明
 2.1 研究の歴史と現状
 2.2 自己集合と自己組織化
 2.3 将来展望
3 フラーレンナノチューブ・ピーポッド      篠原久典、吉田宏道
 3.1 ナノカーボン研究の歴史と現状
 3.2 ナノカーボン研究における自己組織化の意義と役割
 3.3 ナノカーボン研究の将来展望と自己組織化
4 導電性高分子                    赤木和夫、松下哲士
 4.1 導電性高分子研究の歴史と現状
 4.2 導電性高分子研究における自己組織化の意義と役割
 4.3 導電性高分子研究の将来展望と自己組織化
5 ポリシラン                       藤木道也、内藤昌信
 5.1 ポリシラン研究の歴史と現状
  5.1. 1 ポリシラン研究の幕開け
  5.1. 2 可溶性ポリシランから光学活性ポリシランへ
 5.2 ポリシラン:最近の現状
  5.2.1 ポリシラン鎖の基板固定化と精密配向制御
 5.3 ポリシラン研究における自己組織化の意義と役割
 5.4 ポリシラン研究の将来展望と自己組織化
6 脂質ナノチューブ                        清水敏美
 6.1 脂質ナノチューブの歴史と現状
  6.1.1 歴史と背景
  6.1.2 現状1:脂質ナノチューブの次元制御
  6.1.3 現状2:脂質ナノチューブによる10?100nmスケールのゲスト包接
 6.2 脂質ナノチューブ研究における自己組織化の意義と位置づけ
 6.3 脂質ナノチューブの将来展望と自己組織化
7 1次元超分子                         君塚信夫
 7.1 1次元超分子の歴史と現状
  7.1.1 水素結合,ホストゲスト相互作用による1次元超分子
  7.1.2 配位結合を含む1次元超分子
  7.1.3 1次元金属錯体を主鎖とする可溶性超分子
 7.2 1次元超分子研究における自己組織化の意義と役割
 7.3 1次元超分子研究の将来展望と自己組織化
8 1次元分子システム                      中村貴義
 8.1 分子性導体・磁性体の材料化と機能化
  8.1.1 分子性導体・分子磁性体
  8.1.2 分子集合体ナノワイヤの形成
  8.1.3 固相分子モーター構築の試み
 8.2 分子性導体・分子磁性体と自己組織化
 8.3 将来展望
9 1次元DNAナノマテリアル                  居城邦治
 9.1 1次元DNAナノマテリアル研究の歴史と現状
 9.2 1次元DNAナノマテリアル研究における自己集合・自己組織化の意義と役割
 9.3 1次元DNAナノマテリアル研究の将来展望と自己集合・自己組織化

第4章 2次元ナノマテリアル(面)

1 ラングミュアーブロジェット(LB)膜                松本睦良
 1.1 LB膜研究の歴史と現状
 1.2 LB膜研究における自己組織化の意義と役割
 1.3 LB膜研究の将来展望と自己組織化
2 高分子LB膜                     宮下徳治、三ツ石方也
 2.1 高分子LB膜研究の歴史と現状
 2.2 高分子LB膜研究における自己組織化の意義と役割
  2.2.1 電子機能性高分子LB膜
  2.2.2 光機能性高分子LB膜
  2.2.3 テンプレートとしての高分子LB膜
 2.3 高分子LB膜研究の将来展望と自己組織化
3 リポソーム                             秋吉一成
 3.1 リポソーム研究の歴史と現状
 3.2 リポソーム研究における自己組織化の意義と役割
 3.3 リポソーム研究の将来展望と自己組織化
4 自己組織化構造の設計と二分子膜             国武豊
 4.1 合成2分子膜研究の始まり
 4.2 二分膜における自己組織化とは
 4.3 自己組織化の駆動力となる物理的、化学的パータベーション?“場の情報”の意義
 4.4 人工組織の設計と階層構造
 4.5 おわりに
5 単分子膜                         飯村兼一、加藤貞二
 5.1 単分子膜研究の歴史と現状
 5.2 単分子膜研究における自己組織化の意義と位置づけ
 5.3 単分子膜研究の将来展望と自己組織化
6 Self-assembled Monolayer (SAM)            魚崎浩平
 6.1 SAMに関する研究の歴史と現状
 6.2 SAMの形成と自己集合/自己組織化
 6.3 SAM研究の将来展望と自己組織化
7 液晶コマンドサーフェス                     関 隆広
 7.1 光誘起表面分子配向の歴史と現状
 7.2 コマンドサーフェス系における自己組織化の意義と位置づけ
 7.3 光誘起分子配向研究の将来展望と自己組織化
8 ブロックコポリマー                   鎌田香織、彌田智一
 8.1 ナノマテリアルとしてのブロックコポリマー研究の歴史と現状
  8.1.1 ブロックコポリマーエンジニアリングの幕開け ー精密重合法の開発ー
  8.1.2 ブロックコポリマーの自己組織化ミクロ相分離
 8.2 ブロックコポリマー研究における自己組織化の意義と役割
  8.2.1 熱力学的最安定相としての自己集合構造
  8.2.2 界面や外場など系外から束縛を受けた自己組織化構造
  8.2.3 薄膜内に形成されるミクロ相分離構造と利用価値
  8.2.4 薄膜内垂直配向シリンダー構造の配向制御
  8.2.5 自己組織化と応用展開
 8.3 ブロックコポリマー研究の将来展望と自己組織化
9 高分子ナノ界面 ポリマーブラシを中心に     高原 淳、小林元康
 9.1 高分子ナノ界面としてのポリマーブラシの研究の歴史と現状
 9.2 高分子ナノ界面としての高分子ブラシにおける自己組織化の意義と役割
 9.3 高分子ナノ界面としての高分子ブラシ研究の将来展望と自己組織化
10 ハニカム構造高分子膜                  田中 賢、下村政嗣
 10.1 ハニカム構造高分子膜研究の歴史と現状
 10.2 ハニカム構造高分子膜研究における自己組織化の意義と位置づけ
 10.3 ハニカム膜研究の将来展望と自己組織化
11 陽極酸化ポーラスアルミナ                   益田秀樹
 11.1 陽極酸化ポーラスアルミナ研究の歴史と現状
 11.2 陽極酸化ポーラスアルミナ研究における自己組織化の意義と位置づけ
 11.3 将来展望
12 交互吸着膜                             有賀克彦
 12.1 交互吸着法の歴史と現状 ー浅い歴史と速やかな展開ー
 12.2 交互吸着膜における自己組織化の意義と役割
 12.3 交互吸着膜の将来展望
13 DNA自己組織化フィルムの作製と機能化      岡畑恵雄、川崎剛美
 13.1 はじめに
 13.2 DNA-脂質複合体からDNA配向化フィルムの作製
 13.3 DNA配向化フィルムの電導性
 13.4 光励起電流の観察とEL素子への応用
 13.5 おわりに
14 タンパク質の2次元配列                    山下一郎
 14.1 タンパク質の2次元配列の歴史と現状
  14.1.1 タンパク質2次元結晶
  14.1.2 タンパク質2次元結晶化
 14.2 タンパク質2次元配列化研究における自己集合の意義と役割
 14.3 タンパク質2次元配列の展望と自己組織化
15 カーボンナノチューブ薄膜                    佐野正人
 15.1 カーボンナノチューブ薄膜研究の歴史と現状
 15.2 カーボンナノチューブ薄膜研究における自己組織化の意義と役割
 15.3 カーボンナノチューブ薄膜研究の将来展望と自己組織化
16 金属ナノ粒子の配列形成                    米澤 徹
 16.1 金属ナノ粒子の規則配列
 16.2 自己組織的な金属ナノ粒子の配列法
 16.3 ナノ粒子の固定化法の例
 16.4 より広範囲の配列形成
 16.5 おわりに
17 マイクロ周期構造とその表面処理への応用        朝倉浩一
 18.1 マイクロ周期構造とその表面処理への応用研究の歴史と現状
 18.2 マイクロ周期構造とその表面処理への応用研究における自己組織化の意義と役割
 18.3 マイクロ周期構造とその表面処理への応用研究の将来展望と自己組織化

第5章 3次元ナノマテリアル(立体・孔)

1 デンドリマー                        岸村顕広、相田卓三
 1.1 デンドリマー研究の歴史と現状
 1.2 デンドリマー研究における自己組織化の意義と役割
 1.3 デンドリマー研究の将来展望と自己組織化
2 環動ゲル                                伊藤耕
 2.1 環動ゲル
 2.2 環動ゲルの応力ー伸長特性
 2.3 環動ゲルの中性子小角散乱
 2.4 環動ゲルの応用
3 超分子π電子系化合物                 荒谷直樹、大須賀篤弘
 3.1 超分子π電子系化合物研究の歴史と現状
 3.2 超分子π電子系化合物研究における自己組織化の意義と役割
 3.3 超分子π電子系化合物研究の将来展望と自己組織化
4 ナノ自己組織化フォトクロミック液晶高分子の高性能ブラッグホログラム  宍戸 厚、池田富樹
 4.1 液晶高分子ブラッグホログラムの背景と現状
 4.2 自己組織化の意義と役割
 4.3 将来の展望と自己組織化 
5 水素結合ゲル                               英 謙二
 5.1 水素結合ゲルの歴史と現状
  5.1.1 オイルゲル化剤
  5.1.2 ヒドロゲル化剤
 5.2 水素結合ゲルにおける自己組織化の意義と位置づけ
  5.2.1 超分子集合体の形成:自己会合からナノファイバー・3次元高次構造へ
  5.2.2 ゲル化剤開発のための分子設計
 5.3 おわりに ー水素結合ゲルの将来展望と自己組織化
6 3次元DNAナノマテリアル                      松浦和則
 6.1 3次元DNAナノマテリアル研究の歴史と現状
 6.2 3次元DNAナノマテリアル研究における自己組織化の意義と役割
 6.3 3次元DNAナノマテリアル研究の将来展望と自己組織化
7 ペプチドアプタマーを用いたナノ構造体形成      佐野健一、芝 清隆
 7.1 ペプチドアプタマーと自己組織化ナノ構造
  7.1.1 ペプチドアプタマーの進化工学的創製
  7.1.2 ペプチドアプタマーを用いたナノファブリケーション
  7.1.3 ペプチドアプタマーが示すバイオミネラリゼーション活性
  7.1.4 チタンに結合するペプチドアプタマー:TBP-1
  7.1.5 ペプチドアプタマーの多機能性を利用した多層薄膜形成技術:BioLBL
 7.2 ペプチドアプタマー研究における自己組織化と今後の研究
8 ナノレゴタンパク質                  臼井健悟、鈴木治和、林崎良英
 8.1 タンパク質を用いたナノマテリアル研究の歴史と現状
 8.2 ゲノム科学から見た自己組織化の意義と位置づけ
 8.3 ナノレゴ研究の将来展望と自己組織化
9 バイオミネラリゼーション                   菅原彩絵、加藤隆史
 9.1 バイオミネラリゼーション研究の歴史と現状
 9.2 秩序構造を有する無機結晶の自己組織的形成
10 人工ウイルス                         長田健介、片岡一則
 10.1 人工ウイルス研究の歴史と現状
 10.2 人工ウイルス研究における自己組織化の意義と役割
 10.3 人工ウイルス研究の将来展望と自己組織化
11 コロイド結晶                              石川正道
 11.1 コロイド結晶研究の背景と現状:ボトムアップナノテクノロジーへの応用
 11.2 コロイド結晶研究における自己組織化の意義と位置付け
 11.3 コロイド結晶の将来展望と自己組織化:空間タイリングとプログラムされた自己集積
 11.4 おわりに

第6章 フラクタル次元ナノマテリアル

1 表面フラクタル材料                           辻井 薫
 1.1 表面フラクタル材料研究の歴史と現状
  1.1.1 フラクタル表面の自己組織的形成
  1.1.2 フラクタル構造による超撥水/超撥油表面
 1.2 表面フラクタル材料における自己組織化の意義と役割
 1.3 自己組織化材料の将来展望
2 自己組織化フラクタル材料 ー樹状パターンを生成する量子ドット回路 浅井哲也、 元池 N. 育子
 2.1 単電子回路による生体様LSIの歴史と現状
 2.2 単電子フラクタル材料における自己組織化の意義と役割
 2.3 単電子フラクタル材料の将来展望と自己組織化
3. 振動電析による金属微細格子の形成           中戸義禮、中西周
 3.1 樹枝状結晶研究の歴史と現状
 3.2. 樹枝状結晶研究における自己組織化の意義と役割
 3.3 樹枝状結晶研究の将来展望と自己組織化
4 階層性・自己相似・フラクタル結晶                  今井宏
 4.1 階層的な構造をもつ結晶の研究の歴史と現状
  4.1.1 階層構造・自己相似・フラクタルとは
  4.1.2 拡散律速凝集体とフラクタル結晶
  4.1.3 規則的樹枝状結晶・双眼構造
  4.1.4 自己相似的な結晶成長
  4.1.5 階層的な結晶成長
 4.2 結晶成長における自己組織化の意義と役割
  4.2.1 自己組織化・自己集合・散逸構造
  4.2.2 自己組織化の制御と階層性結晶との関連
 4.3 階層性・自己相似・フラクタル結晶研究の将来展望と自己組織化
5 メソポーラスガラス                            長澤 浩
 5.1 メソポーラスガラス研究の歴史と現状
 5.2 メソポーラスガラス研究における自己組織化の意義と位置づけ
 5.3 メソポーラスガラス研究の将来性と自己組織化

第7章 4次元ナノマテリアル(時空間)

1 時空間機能材料                          原 正彦、青野真士
 1.1 時空間機能材料研究の歴史と現状
 1.2 時空間機能材料研究における自己組織化の意義と役割
 1.3 時空間機能材料研究における将来展望と自己組織化
2 自励振動ゲル                                吉田 亮
 2.1 ゲル研究の歴史と現状
 2.2 ゲル研究における自己組織化の意義と役割
 2.3 リズム運動するゲル:時間構造・時空間構造を有するゲル
  2.3.1 自励振動回路の内蔵
  2.3.2 振動リズムの制御
 2.4 自励振動ゲルの将来展望と自己組織化
  2.4.1 微細加工によるマイクロ流体システムへの応用
  2.4.2 生体模倣マイクロマシン(人工繊毛)の作成
  2.4.3 機能性表面(ナノコンベア)の構築
  2.4.4 生体条件下での駆動 ーバイオマシンの構築に向けて
 2.5 おわりに
3 相分離構造                            中西 英行、宮田 貴章
 3.1 化学反応に伴う臨界現象の歴史と現状、最近の研究成果
 3.2 反応誘起相分離の研究における自己組織化の意義と役割
 3.3 反応誘起相分離の研究における自己組織化 vs. 自己集合
4 セラミックスの自己き裂治癒                       安藤 柱
 4.1 セラミックスの自己き裂治癒研究の歴史と現状
 4.2 セラミックスの自己き裂治癒研究における自己組織化の意義と役割
 4.3 セラミックスの自己き裂治癒研究の将来展望と自己組織化
5 量子ドット反応拡散系                           浅井哲也
 5.1 量子ドット反応拡散系の歴史と現状
 5.2 量子ドット反応拡散系における自己組織化の意義と役割
 5.3 量子ドット反応拡散系の将来展望と自己組織化

第8章 自己組織化とトップダウンボトムアップ融合

1 インクジェット                            川瀬健夫、下田達也
 1.1 インクジェット技術の歴史と現状
 1.2 インクジェット技術における自己組織化の意義と役割
 1.3 インクジェット技術の将来展望と自己組織化
2 単分子膜リソグラフィ                            杉村博之
 2.1 単分子膜リソグラフィの歴史と現状
 2.2 単分子膜リソグラフィにおける自己組織化の位置づけ
 2.3 単分子膜リソグラフィの将来展望と自己組織化
3 ナノインプリント                               宮内昭浩
 3.1 ナノインプリント研究の歴史と現状
 3.2 ナノインプリント研究における自己組織化の意義と役割
 3.3 ナノインプリント研究の将来展望と自己組織化
ー座談会ー 自己組織化ナノマテリアルの生産技術と革新
                              国武豊喜、下村政嗣、山口智彦、
                              居城邦治、亀井信一、高野潤一郎