ナノ空間材料の創製と応用

技術者・研究者向けの書籍紹介

ナノ空間材料の創製と応用


ご案内
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 本書は、実際の現場で使われているゴム・樹脂に関する信頼性技術をより多くの技術者に伝えたいという目的から、故障解析と寿命予測に関する事項を中心に、それぞれの階層から15社22名の第一線の方々が、豊富な経験・データや多くの事例を基に執筆した実践書です。

 本書を活用されることで、より信頼性の高い製品開発が可能となることを確信し、ご案内いたします。


目次

第1章ナノ空間の創製と応用−総論
1.序
2.役立つ喜び
3.閉じたナノ空間の化学
4.高効率機能を生みだす開放空間
5.発見と驚き,そして新しい展開

第2章ナノ空間材料の創製
1.有機分子集合体空間
  1.1 分子集合体と格子型包接現象
  1.2 ビスフェニルジスルホン酸アミン塩が形成する包接ナノ空間
  1.3 ビスフェニルジスルホン酸アミン塩の光電材料への応用
  1.4 アントラセンジスルホン酸アミン塩が形成する包接ナノ空間の応用
  1.5 おわりに
2.高分子ミクロ相分離構造によるナノ空間の創製
  2.1 はじめに
  2.2 ブロックコポリマーのミクロ相分離構造
  2.3 ミクロ相分離構造によるナノ空間構築と物性
  2.4 ブロックコポリマーテンプレート
  2.5 まとめ
3.パイ電子空間
  3.1 パイ電子空間の構成要素
    3.1.1 ナノカーボン
    3.1.2 パイ電子化合物/金属錯体ネットワーク
    3.1.3 共有結合性パイ電子化合物
  3.2 パイ電子空間の特徴的な機能
    3.2.1 光活性化
    3.2.2 D-A相互作用を用いたセンシング
    3.2.3 フラーレン分離材料
  3.3 今後の展望
4.デンドリマー空間
  4.1 デンドリマーの合成法
  4.2 デンドリマーの医療応用
  4.3 メタロデンドリマー
  4.4 金属クラスター内包デンドリマー
  4.5 おわりに
5.メソ多孔空間
  5.1 はじめに
  5.2 分子鋳型で作るメソ多孔体
  5.3 メソ多孔体の形態制御
    5.3.1 薄膜
    5.3.2 薄膜中のメソ細孔の配向制御
    5.3.3 微粒子
  5.4 新しいメソ多孔体〜メソポーラス金属〜
  5.5 おわりに
6.カーボンナノ空間
  6.1 はじめに:カーボンの時代
  6.2 多孔性カーボン
  6.3 カーボンナノケージによる物質分離
  6.4 カーボンナノセンサー
  6.5 おわりに
7.金属配位空間
  7.1 配位空間とは
  7.2 配位空間の特徴
  7.3 貯蔵・分離材料への利用
  7.4 ナノ空間反応場
  7.5 低次元物性発現
  7.6 機能性配位空間
  7.7 おわりに
8.蛋白質が提供するナノ空間
  8.1 はじめに
  8.2 蛋白質空間に導入された金属化合物の構造と機能
  8.3 蛋白質超分子空間の利用した金属化合物の機能化
  8.4 おわりに

第3章ナノ空間の観測・評価
1.ナノ空間の構造評価
  1.1 はじめに
  1.2 様々な3次元顕微鏡とそれらの守備範囲
  1.3 共焦点レーザースキャン顕微鏡の高分子系材料への応用例
  1.4 透過型電子線トモグラフィー法の高分子系材料への応用例
    1.4.1 ブロック共重合体への応用例
  1.5 メゾスケールの3次元顕微鏡法
  1.6 3次元顕微鏡法のこれから
2.ナノ空間の計測
  2.1 はじめに
  2.2 気相吸着
  2.3 物理吸着と化学吸着
  2.4 物理吸着
  2.5 ミクロ細孔への蒸気吸着
    2.5.1 ミクロポアフィリング
  2.6 メソ細孔への蒸気吸着
  2.7 マクロ細孔あるいは平坦表面への蒸気吸着
3.配列ナノ空間における電子系の物性
  3.1 はじめに
  3.2 ゼオライト結晶を用いた配列ナノ空間物質の特徴
  3.3 ゼオライト中のアルカリ金属クラスタ
  3.4 ゼオライトA中のカリウムクラスタ
  3.5 ゼオライトLSX中のカリウムクラスタ
  3.6 ソーダライト中のアルカリ金属クラスタ

第4章ナノ空間材料のエレクトロニクス・フォトニクスへの応用
1.電子機能
  1.1 はじめに
  1.2 電極表面修飾
  1.3 錯体ワイヤ―の界面ボトムアップ作製法
  1.4 錯体ワイヤ―の電子移動特性
2.光エレクトロニクス機能
  2.1 はじめに
  2.2 有機・高分子材料の電気光学特性
  2.3 NLO色素の飛躍的な性能向上
  2.4 超分子化学による高性能化
  2.5 NLOポリマーホスト
  2.6 電気光学ポリマーを用いた光スイッチングデバイス
3.磁気機能
  3.1 はじめに
  3.2 光磁性
  3.3 湿度応答型磁性
  3.4 強誘電-強磁性
  3.5 将来展望
4.低誘電率絶縁膜への応用
  4.1 無機多孔体の層間絶縁膜への応用
  4.2 周期構造メソポーラスシリカ膜の合成
  4.3 メソポーラスシリカ薄膜の蒸気合成
    4.3.1 合成手法と構造決定
    4.3.2 疎水化処理と水熱安定性
    4.3.3 機械的強度
    4.3.4 比誘電率測定
  4.4 おわりに
5.反射防止材への応用
  5.1 はじめに
  5.2 交互吸着法を用いた反射防止膜
  5.3 交互吸着法による光学多層膜と光学特性
  5.4 おわりに

第5章ナノ空間材料のバイオ・医療分野への応用
1.in vivoイメージング用分子バイオセンサ
  1.1 はじめに
  1.2 酵素活性をin vivoで検出する19F-MRIプローブの開発4)
    1.2.1 in vivoイメージング用プローブ開発の意義
    1.2.2 原理開発の着想点
    1.2.3 分子デザインと測定結果
    1.2.4 蛍光および19F MRI酵素活性を検出する多機能プローブの開発
  1.3 おわりに
2.ドラッグデリバリーシステム
  2.1 はじめに
  2.2 ミセル
  2.3 エマルション・マイクロエマルション
  2.4 リポソーム
  2.5 高分子微粒子
  2.6 シクロデキストリン
  2.7 ナノチューブ・ナノホーン
  2.8 多孔性担体
3.細胞機能を制御する多孔質材料
  3.1 はじめに
  3.2 多孔質材料に用いられる素材
  3.3 多孔質材料の作製法
  3.4 多孔質材料の複合化
  3.5 階層構造をもつ多孔質材料
  3.6 被覆型多孔質材料
  3.7 多孔質材料による細胞の機能制御
  3.8 多孔質材料を用いた組織再生
  3.9 おわりに
4.半導体技術を応用したバイオデバイス
  4.1 はじめに
  4.2 FETバイオセンサの原理と歴史
  4.3 遺伝子FET
  4.4 糖鎖シアル酸定量の意義と現状について
  4.5 「シアル酸認識FET」の作製法
  4.6 「シアル酸認識FET」の選択性
  4.7 赤血球表面シアル酸の発現量評価
  4.8 バイオデバイスの将来展望
5.分子インプリンティングのバイオ応用
  5.1 はじめに
  5.2 N,N’-メチレンビスアクリルアミドを利用したタンパク質インプリントヒドロゲル
  5.3 有機―無機ハイブリッド型タンパク質インプリントマテリアル
  5.4 固定化テンプレートを利用したタンパク質インプリンティング
  5.5 エピトープを利用したペプチド・タンパク質インプリンティング
  5.6 おわりに
6.濃厚ポリマーブラシのバイオ応用
  6.1 はじめに
  6.2 濃厚ポリマーブラシ
  6.3 表面開始リビングラジカル重合と濃厚ブラシ
  6.4 濃厚ポリマーブラシとタンパクとの相互作用
    6.4.1 濃厚ブラシ表面とタンパクとの相互作用のクロマトグラフィー評価
    6.4.2 濃厚PHEMAブラシへのタンパク吸着
  6.5 濃厚ブラシ表面の細胞接着特性
  6.6 おわりに
7.細胞パターニング
  7.1 はじめに
  7.2 細胞パターニングの応用例
  7.3 細胞接着性を制御する化合物
  7.4 汎用的な細胞パターニング技術
  7.5 細胞の動的パターニング技術
  7.6 ケージド化合物を利用した光応答性培養基板
  7.7 おわりに

第6章ナノ空間材料の環境・エネルギーへの応用
1.触媒システム
  1.1 はじめに
  1.2 ベンゼンと酸素からのフェノール直接合成に世界最高の触媒性能を示すゼオライト担持Reクラスター触媒
  1.3 固定化金属錯体の配位子を鋳型分子とした表面モレキュラーインプリンティング触媒
2.膜分離システム
  2.1 はじめに
  2.2 大規模エネルギー削減を可能とする技術としての分離膜の可能性
  2.3 ミクロ多孔性結晶ゼオライトの分離膜材料としての可能性
  2.4 おわりに
3.次世代フィルター
  3.1 はじめに
  3.2 多孔体技術マップ
  3.3 無機系次世代フィルター材料
    3.3.1 静電紡糸法(Electrospinning)による多孔質膜
    3.3.2 セラミックス‐金属ハイブリッド多孔質膜
  3.4 有機・無機ハイブリッド次世代フィルター材料
  3.5 多孔体膜以外を用いるフィルター技術の応用事例
  3.6 フィルター周辺分野での最新応用事例
    3.6.1 排ガス浄化フィルターの制御技術革新
    3.6.2 緑化基盤材「グリーンビズ」
  3.7 おわりに
4.金属ナノ粒子の水素吸蔵
  4.1 はじめに
  4.2 Pdの水素吸蔵特性
  4.3 Pd/Ptコアシェル型ナノ粒子の水素吸蔵
    4.3.1 水素吸蔵材料としてのPd/Ptコア・シェル型ナノ粒子
    4.3.2 Pdナノ粒子およびPd/Ptコア・シェル型ナノ粒子の作製方法
    4.3.3 Pd ナノ粒子およびPd/Ptコア・シェル型ナノ粒子の透過型電子顕微鏡写真と粒径
    4.3.4 Pd/Ptコア・シェル型ナノ粒子の水素吸蔵/放出過程
  4.4 水素処理によるPd/Ptナノ粒子の構造制御
    4.4.1 Pd/Ptコア・シェル型ナノ粒子の構造
    4.4.2 Pd/Ptコア・シェル型ナノ粒子の水素吸蔵における構造変化
  4.5 シェル金属による水素吸蔵量の制御
    4.5.1 Pd、Pd/Au、Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子の水素吸蔵
    4.5.2 Pd、Pd/Au、Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子の作製方法
    4.5.3 合金ナノ粒子の水素圧力に伴う格子定数の変化
    4.5.4 水素吸蔵量の制御
  4.6 おわりに
5.超撥水材料
  5.1 はじめに
  5.2 ポリマー素材の超撥水膜
  5.3 カーボンナノチューブ複合超撥水材料
  5.4 フラーレン超撥水材料
  5.5 “超分子転写法”の応用
  5.6 おわりに
6.接着材料のナノ空間制御による新展開
  6.1 はじめに
  6.2 バイオミメティックな接着表面
  6.3 液体を接着する表面
  6.4 将来展望
7.ナノ空間を利用した光電変換素子
  7.1 はじめに
  7.2 色素増感太陽電池の動作機構
  7.3 ナノ空間と光電変換効率
  7.4 変換効率向上に関する研究動向
  7.5 擬固体化とナノ空間
  7.6 立体電極のナノ空間
  7.7 ナノ空間を利用した発光素子
  7.8 おわりに
8.燃料電池用ナノ空間構造組織制御材料
  8.1 はじめに
  8.2 燃料電池の仕組み
  8.3 燃料電池材料内ナノ空間構造組織の変化と物性の関係
  8.4 ナノ空間構造組織のシミュレーション
  8.5 ナノ空間構造組織の最適化の試み
  8.6 おわりに
9.ミクロおよびメソスケールで設計された毒性オキシアニオンの吸着媒
  9.1 はじめに
  9.2 メソポーラスシリカ表面への官能基の導入と調製や吸着に対するメソ構造の関与
  9.3 遷移金属を配位した構造を持つ吸着点とその再生・リサイクル
  9.4 縮合したシランにより形成される低次元性固体と高い吸着容量の発現
10排ガス浄化システム
  10.1 ナノ空間の利用は2通り
  10.2 ナノ空間内部での結晶合成〜均質メソ多孔質セラミックスの創製
  10.3 ナノ空間内部での極低濃度除去対象物質の濃縮と反応〜吸着・改質による貴金属低減
  10.4 ナノ空間での活性点の保持〜貴金属フリーカーボン燃焼触媒
  10.5 おわりに

第7章ナノ空間材料の将来展望
1.はじめに
2.細孔構造の制御
  2.1 細孔制御の基本
  2.2 細孔体の構築場所、形状
3.構成材料および壁成分の制御
  3.1 無機材料系
  3.2 有機材料系
  3.3 細孔内の修飾、機能の制御
4.ナノ空間化学の開拓